技術革新

基本的な考え方

KONOIKEグループの事業競争力は「より魅力的なサービス提供」にかかっており、近年の物流・倉庫業界におけるさまざまな変化に対応していく上で、“さらなる高み”を目指す現場での革新が重要であると認識しています。そのために、2021年3月には鴻池技術研究所イノベーションセンター(技研IC)を開設し、①KONOIKEグループの多岐にわたる現場を技研ICに再現し、新技術の実効性や導入後のオペレーションの確認などを行う「実証・実験」、②社内に限らず、お客さま、 新技術のベンダーさまにも技研ICにお集まりいただき、再現現場や新技術を見ながら議論する「オープンイノベーションの加速」、③お客さまの将来構想にも合致した技術開発の検討などの「営業活動の一環」としても機能させ、技術革新の最前線としてイノベーションを加速してまいりました。加えて、技術革新が全社に浸透するよう、リテラシー教育も全社レベルで充実させてきました。こうして、現場と共に進めてきた改善の取り組みが少しずつ実を結んできています。今後も現場力の強化に直結する技術革新を進めていきます。

中期経営計画 KPI

2023年3月期
(実績)
2024年3月期
(実績)
2025年3月期
(実績)
2028年3月期
(目標)
現場への技術導入実績件数 19 26 24 45
現場への技術導入に向けたPoC件数 55 45 38 68
技研IC での技術検証件数 13 9 9 18

取り組み事例

現場改善に向け、①人と技術が相互補完し合う新たな技術活用、②業務経験に基づく治工具開発による安全性の向上、③変化の激しい事業環境に迅速に対応できるエンジニアリング力の強化という3つの視点を軸に、各種取り組みを進めております。これらの取組みを通じて、現場で培われた技術と最先端のテクノロジーを融合することで人と技術がそれぞれの強みを発揮し、共に活躍できる新たな「現場のあり方」への進化を図ってまいります。それにより、企業の持続的な成長や収益性の向上に貢献すると共に、お客さまに対する新たな価値の創出を目指しております。
①の視点では、作業者が直感的に業務を遂行できる支援システムの導入や、ガイドレス走行が可能な無人搬送車(AGV)との協働による新たな作業スタイルの構築を進めております。その際、社内実験場を活用し、実際の現場環境を想定した検証を行い、実効性のある提案に結びつけております。
②の視点では、現場で培ってきた知見をもとに、専用の治工具や装置の自社開発・導入を推進し、誰でも安全かつ効率的に作業できる環境の整備に取り組んでいます。これにより、従来は属人的であった作業の標準化・省力化が進展し、労働環境の改善と業務品質の安定化の両立に寄与しております。
③の視点では、作業プロセスの事前検証や改善効果の見える化を進めており、シミュレーションデータやIE(インダストリアル・エンジニアリング)の考え方を取り入れた作業の分析や改善効果の定量的把握により、従来の経験則に加えて客観的データに基づく改善精度の向上と効果の最大化を目指しています。一例として、レイアウト変更に際して、シミュレーションにより改善前後の違いを定量的に試算し提案の効果と妥当性を可視化することで、実効性の高い改善提案へとつなげることができました。これにより、より効果的で、かつ確度が高い現場最適化を実現するエンジニアリング力の強化を進めております。

①AR誘導、 AGV活用

  • AR誘導
  • AGV

②手鉤棒、牛乳パック切り開き

  • 手鉤棒
  • 牛乳パック切り開き

③シミュレーション

  • シミュレーション1
  • シミュレーション2

KONOIKEグループ統合報告書2025

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