「目立たないのが、良い仕事」　鴻池メディカル（株）開米和孝さん｜KONOIKEジャーナル

　こんにちは。KONOIKEグループです。

　現場で働く従業員をご紹介する「人」シリーズ。今回は、医療器具の物流センターで働く、鴻池メディカル株式会社（以下、鴻池メディカル）の開米さんに、仕事の内容や業務で心掛けていることについてインタビューしました。　

鴻池メディカル（株）東京物流（営）
開米和孝さん

―担当業務を教えてください。

　東京物流（営）では、病院の手術で使用された医療器具を洗浄し、医療現場にお届けしています。私の担当は、洗浄・組み立てた医療器具にレーザーで製品番号などを印字する「レーザーマーキング」という工程です。レーザー光で品番やロットNo.を印字する技術で、医療器具の識別に活用されています。シールや手書きの文字だと、洗浄の際に字が消えたり、剥がれて異物となるため、このような特殊な技術を使っています。

レーザーを照射し、ミリ単位で印字する技術「レーザーマーキング」

―入社当時から「レーザーマーキング」の業務に携わっているのですか？

　入社当初は物流ラインで、製品の出荷担当でした。4年ほど前に、前任者からレーザーマーキングの業務を引き継ぎました。最新のレーザーマーカーやソフトウエアの操作も独学で習得し、今ではこの工程を一任されています。これまで扱った医療器具は100種類以上ですが、材質や形状はさまざまで、そのたびに「こんな印字パターンがあるのか」と日々学んでいます。今では上司から「印字の精度は誰も真似できない」というお墨付きもいただきました。

最新のレーザーマーカーやソフトウエアの操作も独学で習得し、職場に欠かせない存在に。

―業務で難しいのはどういった点ですか？

　印字に失敗しても研磨剤を使った技術（ショットブラスト）で修正可能ですが、研磨剤を使用できない小さく内腔がある医療器具などは一発勝負のため、本番でのミスは許されません。そのため、金属片やテスターを使って、何度も試し打ちを繰り返すようにしています。その上で、お客さまのご要望を実現できる最適な印字パターンを探します。
　また、レーザーマーキングはJIS（日本産業規格）の安全規格で保護ゴーグル、防塵マスクの装着が義務付けられているほどの有害なレーザーを使用するため、危険を伴う作業です。安全には最大の注意を払いつつ、業務を行っています。

粒状の研磨剤を吹きかけて、つや消し・印字の修正などに使用するショットブラスト。

研磨剤を当てる角度により作業スピードに大きく差が出るという。

―これまでの業務で経験した、印象的なエピソードを教えてください。

　営業担当から「QRコードを印字したい」という依頼があったのですが、金属にそのまま印字したQRコードでは、光が反射して読み取りができないという技術的な壁に直面しました。何とかしようと試行錯誤を繰り返す中で、QRコードの背景に色をつける方法で小指の爪サイズのQRコードを器具に印字することに成功しました。お客さまの期待に応えられたという手応えを感じた瞬間でしたね。

―業務をする上で心掛けていることはありますか？

　製品番号はしっかり読めて当たり前のもの、なくてはならないものです。繊細で地味な作業ではありますが、お客さまに違和感を抱かせないような目立たない仕上がりは、真っすぐ正確に印字し、良い仕事をした証拠でもあります。「目立たないのが、良い仕事」と思いながら、日々こつこつと腕を磨いています。

―これからチャレンジしたいことを教えてください。

　読み取りやすいバーコード印字を行い医療への貢献に挑戦し続けていきたいです。

「目立たないのが、良い仕事」。開米さんの静かな挑戦は続く。

鴻池メディカル(株)

〒100-0006
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https://www.konoike-medical.co.jp/
業務概要：病院や学校などで使用する医療器材の滅菌代行、院内物流請負、診療材料・医薬品の管理など、医療に特化した各種サービスを提供する