企業活動での取り組み
カーボンニュートラル実現に向けて
再生可能エネルギー
実質CO2ゼロ電力への切り替え
KONOIKEグループでは、2022年3月期から2025年3月期までの4年間で、135拠点すべての自社設備の電力契約を実質CO2ゼロ電力へ切り替えました。 その結果、2025年3月期には前年比14,000t-CO2e、当社のCO2削減目標の基準年度比(2019年3月期比)24,000t-CO2eの削減効果を生み出しました。

廃食油を原料としたバイオディーゼル燃料の活用
KONOIKEグループでは、廃食油由来のバイオディーゼル燃料を導入しています。B5燃料※を国内5拠点のトラックにて、B30燃料※を関西国際空港施設内の空港内作業車両にて使用し、2025年3月期において26t-CO2eの削減効果を生み出しました。併せて、従業員の家庭から出る廃食油を回収し、燃料の原料にリサイクルする活動も実施しています。今後も更なる再生可能エネルギーの活用によるCO2排出量削減に取り組んでまいります。
- バイオディーゼル燃料を5%混入した軽油
- バイオディーゼル燃料を30%混入した軽油
太陽光エネルギーの利用
KONOIKEグループでは国内24カ所、海外3カ所に太陽光発電設備を有しており、年間14.8GWhの再生可能エネルギーを創出し、脱炭素化に貢献しています。また太陽光パネルは遮熱効果も有し、倉庫内の温度上昇を和らげる効果があることから、物流拠点の低炭素化にも寄与しています。
再生可能エネルギーを最大限有効活用するため、2024年10月より1拠点にて太陽光発電の自己託送を開始しました。新設の太陽光発電設備にて発電した電力のうち、余剰電力を遠隔地にある当社グループ内の拠点に供給しています。2025年3月期には50t-CO2eの削減効果を生んでいます。
今後新たな物流センターを設立する際には自家使用を前提とした太陽光発電を標準装備とし、広く社会の低炭素化に寄与していきます。

画像提供:(株)安藤・間さま 静岡支店
省エネルギー
ダブル連結トラックの導入
輸配送サービス時の省エネルギー取り組みの1つとして、全長25mのダブル連結トラックの運行を行っています。本取り組みはNEXT Logistics Japan株式会社と共同で実施し、現在4台導入しています。ダブル連結トラックは1台で大型トラック2台分の荷物を1人のドライバーで輸送可能なため、トラックドライバー不足への対策につながるだけではなく、2台で輸送した場合と比較し、年間約35%のCO2削減効果があると見込んでいます。

モーダルシフトの推進
トラックの代わりに輸送時のCO2排出量が少ない鉄道や船舶を利用するモーダルシフトを推進しています。日本国内では東京貨物ターミナル駅(JR貨物)構内で稼働する「東京レールゲート営業所」を中心に、国内12拠点にて実施しています。2025年3月期には、約73,500tのCO2排出削減効果を生み出しました。
モーダルシフト推進の一環として、お客さまやパートナー企業さまとの協働による革新的な物流モデルの構築にも注力しています。 2025年には、タニコー(株)、トランコム(株)と共同で実施した「鉄道輸送×トラック輸送で実現する業務用厨房機器の次世代型モーダルコンビネーション物流」の取り組みにおいて、一般社団法人日本物流団体連合会主催の第26回物流環境大賞『奨励賞』を受賞しました。本取り組みは、業務用厨房機器の輸送方法を、従来のトラック輸送から鉄道とトラックを組み合わせた輸送に転換することにより、CO2排出量を約62.5%(約31.5t/年)削減するものです。CO2削減だけでなく、トラック輸送距離の短縮、トラックドライバーの運転時間も削減することができ、「2024年問題」に代表される労働環境課題の解決に貢献しています。

環境負荷低減と物流効率を両立するインドでの鉄道輸送事業
近年、ますます経済的な発展を遂げ、社会インフラとして物流網の構築が急がれるインドでは、トラックが陸路輸送の主役となっています。そのため渋滞による輸送遅滞や排ガスによる大気汚染は、インド全土にわたる大きな社会問題となり、モーダルシフトが叫ばれるようになってきました。そのような状況を踏まえ、KONOIKEグループは2017年より日系企業で初めて、インド国内での鉄道コンテナ輸送事業を開始しました。西インド主要3港と北インド・デリー周辺までを結ぶ区間で鉄道によるコンテナ輸送(ICD)を実施するとともに、自動車専用輸送車両による完成自動車の鉄道輸送(AFTO)事業も行っています。2025年3月期には、約64,900tのCO2排出削減効果を生み出しました。

インドでの自動車輸送専用車両
1編成で小型車約300台前後の完成車を搭載可能
LED人感センサーの導入
電力の省エネルギーの取り組みとして、倉庫内のLED照明に人感センサーを設置することを推進しています。センサーが人の存在を検知し自動で照明のオンオフを行うことにより、電気使用量は設置前と比較して33%の削減、CO2換算では約44tの削減に繋がっています。今後も省エネルギーにつながる施策を図っていきます。
エコドライブの推進
KONOIKEグループはCO2排出削減のために早くからエコドライブに取り組んできました。車両を有する事業所においては、すべての車両の燃費管理を厳密に実施し、CO2排出量の削減につながる取り組みを続けています。エコドライブは急発進・急加速・急ブレーキを回避した運転を行うことで、CO2削減になるだけでなく安全運行につながります。輸送の安全確保のためにもエコドライブは有効な手段と考え、実践し続けています。

新技術
冷凍冷蔵EVトラックの導入
CO2排出量削減への取り組みの一環として、2025年1月にKONOIKEグループでは初となるEVトラックを導入しました。今回導入したEVトラックは、冷凍冷蔵器を搭載した小型トラックで、静岡県内のイオングローバルSCM株式会社受託センターとして運営する東海支店 ⾧泉流通センター営業所にて2台、袋井流通センター営業所にて1台、合計3台をイオングループ店舗配送用に運営します。CO2削減効果は3台合計で年間12t-CO2eになると試算しています。

水素を燃料とする燃料電池フォークリフト
2018年に物流企業として初の水素を燃料とする燃料電池フォークリフトを導入し、現在3台稼働しています。水素フォークリフトは水素を燃料として発電・駆動するため、稼働時にCO2や環境負荷物質を排出しない優れた環境性能と、3分程度で充填完了する高い利便性を兼ね備えています。また水素の生成には太陽光発電によって得られた電力を用いるため、結果として完全なCO2フリー電源によるフォークリフト運行を実現しています。
2024年には、国土交通省近畿運輸局が主催する交通環境セミナーにて、2050年カーボンニュートラルを目指す施策の取り組み事例として、当社社員が燃料電池フォークリフトの活用状況を紹介しました。

カーボンオフセット
大阪湾における生物多様性保全活動
KONOIKEグループは大阪発祥の企業として、2013年から大阪湾の環境保全に取り組むNPO法人の活動に参加し、アマモの移植活動を実施しています。アマモは沿岸域に分布する海草の一種で、CO2の吸収源「ブルーカーボン」としても注目されています。近年では沿岸域の開発によって、アマモの群小エリア面積が減少していることから、当社グループの事務所や社員の自宅にて、大阪湾から採取されたアマモの種子を育苗し、大阪湾へ移植するという活動を毎年行っています。当初は大阪本社のみの活動でしたが、近年では活動規模を拡大し、東京、和歌山の拠点でもアマモの育苗を実施しています。これまでに当社が移植したアマモは215苗にのぼり、そのCO2吸収量は年間241kg‐CO2e※になると試算しています。
- 国⽴研究開発法⼈ ⽔産研究・教育機構の『海草・海藻藻場のCO2貯留量算定ガイドブック』を元に試算
-
アマモの育苗 -
アマモの移植の様子 -
アマモの様子
生物多様性の取り組み
生物多様性のための30by30アライアンス
実質CO2ゼロ電力への切り替え
「生物多様性のための30by30アライアンス」は、2030年までに陸と海の30%以上を健全な生態系として保全することを目指す国際約束である「30by30」の国内達成に向けて、環境省をはじめとした行政、企業・NPOなどの有志連合として設立されました。KONOIKEグループは、アライアンスの設立趣旨に賛同し、地域の経済・社会・環境問題の同時解決につながるNbS※によって健全な生態系の確保と持続可能な社会の実現に貢献していきます。
- Nature-based Solutions (自然を基盤とした解決策)
環境負荷を低減する取り組みおよびサービス提供
産業廃棄物のリサイクル事業
パーフェクトリサイクルシステム概要
KONOIKEグループでは産業発展と環境保全の両立を目指して産業廃棄物のリサイクル事業を展開しています。グループ会社の(株)エコイノベーションでは、パーフェクトリサイクルシステム※を構築し、お客さま所有の資源を一つの無駄もなく有効活用することに成功しています。またASRリサイクリング鹿島(株)では、分別リサイクルが難しい産業廃棄物から二次廃棄物を一切出さずに資源を取り出す独自のシステムを確立しています。
限りある貴重な資源を有効活用することで、お客さまの事業を環境面からサポートするとともに、地球環境への貢献を果たしています。

- パーフェクトリサイクルシステム:鉄や亜鉛、炭素等を含む産業廃棄物から二次廃棄物を一切出さずに再資源化する技術。RC資源循環炉を用いて、これまでは埋め立て処分となっていた廃棄物を良質な鉄・亜鉛原料へと再資源化するシステム。本来なら焼却処分される産業廃棄物を活用することで化石燃料の使用が低減されCO2の排出抑制に寄与し、処理の中で排出したガスは原料乾燥の熱源として再利用している。
お客さまの脱炭素に向けたインフラ整備に貢献
KONOIKEグループでは、さまざまな業界の請負業務によって長年培ってきた技術力をベースに、エンジニアリングサービスを展開しています。その中でも最近では、脱炭素に向けたインフラ整備の引き合いが増加しています。太陽光パネルの設置に始まり、バイオマス発電プラント、大気汚染防止設備、省エネ関連設備のタンクおよび配管の製作、据付工事等、多様なサービスを提供することでお客さまの脱炭素に貢献しています。
バイオマスプラントのタンク・配管工事
環境配慮型製品の使用推進
KONOIKEグループでは、環境負荷低減の取り組みとして、用紙・文房具のグリーン購入含めた環境配慮製品の使用を推進しています。
グループ会社の空港ターミナルサービス(株)では、2025年春より、エアライン業務の制服を環境に配慮した素材を原料とした制服にリニューアルしました。女性用の制服は、全体の94%にペットボトルから作られた再生素材の生地を使用しており、男性用の制服は使用後に糸等にリサイクルします。
また、制服のリニューアルに伴い発生した古い制服約650kgについても、小物等他製品にリサイクルし活用しています。
政府の進める持続可能な社会に向けての環境対策への賛同と、環境マネジメントシステムの推進
KONOIKEグループは、国民運動「デコ活」に賛同・登録しています。「デコ活」は脱炭素につながる新しい豊かな暮らしを創る、政府を挙げての国民運動です。事業活動を通じた取り組みと、従業員一人一人の働き方や暮らしにおける取り組みの両面で、脱炭素化を推進していきます。
また、海洋プラスチック問題への対応から、「プラスチック・スマート」キャンペーンにも賛同し、淀川河川敷のクリーンアップ活動など各所で継続した取り組みを行っています。


グループ内において「ISO14001」を取得し、国際規格が求める環境負荷低減に取り組んでいます。
①
取得会社:(株)エコイノベーション
登録番号:JMAQA-E304
認証機関:日本能率協会 審査登録センター
②
取得会社:ASRリサイクリング鹿島(株)
登録番号:JQA-EM6107
認証機関:一般財団法人 日本品質保証機構


KONOIKEグループでは国土交通省所管の交通エコロジー・モビリティ財団が推進する「グリーン経営認証」を取得し、輸送の安全とともに環境負荷低減に努めています。
グリーン経営認証組織
鴻池運輸(株)36事業所
此花運輸(株)
関西陸運(株)
コウノイケ・エキスプレス(株)
日本空輸(株)

ステークホルダーへの取り組み
サプライヤーエンゲージメント
KONOIKEグループでは、サプライヤーエンゲージメントの取り組みとして、2023年3月期よりグループ各事業所における一次輸送協力会社・作業協力会社を対象に、環境関連活動や社会全体のトレンドを含む情報共有を行う説明会およびアンケート調査を実施しています。2024年3月期までに計453社に対してアンケート調査を実施し、環境に関する規程・方針・目標設定の有無、エネルギー使用量・CO2排出量の算定有無等をヒアリングしました。
今後も協力会社との定期的なコミュニケーションを実施し、エンゲージメント活動を強化してまいります。
淀川クリーンアップ活動
KONOIKEグループ創業の地である『傳法』(現在の大阪市此花区)への恩返しとして、2012年から淀川河川敷の清掃活動を行っています。当初はグループ社員約30名での活動でしたが、近年では社員に加えて地域住民の皆さまにご参加いただき、約120名規模の活動となっています。2025年3月には節目となる第20回の活動を開催することが出来、これまでの参加者は延べ約2,800名、回収したごみの量は約2,900袋に上ります。
2020年には、当活動が評価され、国土交通省近畿地方整備局 淀川河川事務所より令和2年度河川愛護功労者表彰をいただきました。


江戸川区におけるクリーンアップ活動
KONOIKEグループが東京にて初の営業所を開設した縁の地である江戸川区小松川平井地区への恩返しとして、同区内で開催される「小松川千本桜まつり」および「小松川千本桜を愛する会 育樹大会」※に、2018年から清掃ボランティアとして参加しています。会場となる大島小松川公園内の清掃活動を行うとともに、千本桜まつりでは来場者へのごみの分別サポート、育樹大会では桜の樹への施肥を行っており、これまでに延べ約220名が参加しました。加えて、当社は希望する団体に会場内の桜の樹を割り当て、育てることを目的とした制度「桜のパートナー制度」に登録しており、公園内にある桜の樹のうち1本のパートナーとなっています。
2023年には、これまでの取り組みが評価され、江戸川区より令和5年度環境をよくする運動功労者表彰をいただきました。
- 主催:江戸川区役所生活振興部小松川事務所、小松川千本桜を愛する会

事業所周辺の美化活動
KONOIKEグループでは、全国の155事業所において、地域への貢献活動として事業所周辺の美化活動を実施しています。定期的に事業所近隣の歩道や水路等の清掃を行っており、2025年3月期の参加人数および活動時間は、延べ約13,140人、約1,890時間でした。
なかには、長年継続して実施していることを認められ、自治体より感謝状をいただいた活動もあります。また、地域住民の方々や得意先企業と協力して実施している活動もあり、地域社会との繋がりを深める機会にもなっています。
寄付を通じた社会貢献活動
KONOIKEグループでは、全国の事業所において様々な寄付活動を行っています。代表的な取り組みが「エコキャップ運動」と「フードドライブ」です。
エコキャップ運動は、ペットボトルのキャップを回収しNPO法人等に寄付する活動で、リサイクルの促進、CO2の削減、売却益で発展途上国の医療支援、障がい者・高齢者雇用促進などに繋がります。2025年3月期には0.4t、ペットボトル約19万本分のキャップを回収し寄付を行いました。また、キャップをリサイクルしたことによる焼却時に発生するCO2削減量は約1.4tになると試算しています。 フードドライブは、家庭で余っている食品を集めて、食品を必要としている地域のフードバンク等の生活困窮者支援団体、子ども食堂、福祉施設等に寄付する活動で、食品ロス削減にも資する取り組みです。KONOIKEグループでは従業員の家庭からの寄付に加え、事業所に備蓄されている災害時の保存食についても寄付を行っています。2025年3月期では8拠点で合計約1tの食品の寄付を行いました。

