悲願の新領域獲得。
従業員の夢をのせてKAPSは飛び立つ、未知なる大空へ。
〜KAPS(コウノイケ・エアポートサービス)33年目の悲願達成〜
0着陸後の航空機を誘導するこの業務をマーシャリング(航空機誘導)と呼ぶ。これに加え、航空機から貨物を積み下ろすハイリフト、出発前の航空機を滑走路に押し出すプッシュバックは、空港グランドハンドリング(以下、グラハン)の花形業務であり、その受注はKAPSを創業した1991年からの悲願だった。
2023年9月、KAPSは福岡事業部の未来を拓く重要な決定を下した。新規業務を獲得するべく、業務委託元のANA福岡空港様との交渉を開始したのだ。KAPSの創業以来、福岡事業部は貨物・手荷物搭降載、機内清掃を主たる業務としてきた。これらの業務は今後も事業の核であることに変わりはないが、業務領域を広げ、将来は航空機のグラハン業務を一貫して請け負える体制を築かなければ企業の成長はないというのが、経営陣の総意だった。
「売上拡大も重要ですが、それよりもスタッフに仕事のやりがいを感じてもらい、業務を通じて成長できる環境を用意したかった、それが私の本音です」と大楠光男部長は新規業務を獲得したいと考えた理由を明かす。
2024年10月、KAPSの歴史に新たな1ページが刻まれた。33年前からの悲願がついに叶いグラハンの機側業務が始まったのだ。
スターフライヤー機が駐機するエプロンには、鮮やかなブルーのジャケットをまとったKAPS福岡事業部のメンバーが真剣な顔つきで業務に臨んでいる。
「ハイリフトにせよ、プッシュバックにせよ、気象条件や便ごとに状況が異なることがあり、都度、自分の判断を求められる仕事です。でも、毎日違うからこそ、仕事にやりがいを感じています。毎日単調な作業ではないため、常に考え続けながら仕事をできていることが、すごく楽しいです」と廣重は仕事のやりがいを話す。
「当初はプッシュバックの途中で距離が変更になり焦ったこともありました。でも、今は経験を重ねて自信がつきました。今後はお客さまが乗降される際に使用する搭乗橋(パッセンジャーボーディングブリッジ)の操作など、いろいろな資格にチャレンジして業務の幅を広げたいですね」と、吉冨は新たな業務への意欲を話す。
「スタッフ全員で分刻みの業務をこなし、最後に航空機をお見送りしたとき、お客さまが窓から手を振ってくれることがあるのですが、そのときほどうれしいことはありませんね」と安本は笑顔で話す。
新規業務の獲得に向けて尽力した大楠は、現場で働くスタッフを目で追いながら万感の思いを話してくれた。
「悲願の新規業務獲得から1年以上経ちますが、今でもスタッフがプッシュバックしている姿を見るだけで、胸に込み上げてくるものがあります」と。
新規の業務獲得から1年以上経ったが、福岡事業部ではこれまで一切イレギュラーを発生させていない。その実績が他空港のANA各社からも評価され、新たな請負要請が相次いでいる。2025年4月には関西事業部が関西国際空港のロードマスター(便責任者)とヘッドセット(コックピットとの交信)業務を獲得している。
今後の業務拡張について、KAPS代表取締役の久本二尊は「福岡・関西で新たに受託した業務領域については、要員を確保して資格者を計画的に育成し習熟を進めて業務品質を高めるとともに、他事業部からの見学も積極的に実施して全社を挙げて新規業務の受託へ向けた機運を高めていきます。
KAPSの企業価値の柱は、複数空港の得意先さまのニーズに柔軟かつタイムリーに応えていく総合力です。『機側業務』を新たな事業として成長させていくべく努力するとともに、創業以来、長年にわたり会社の成長を支えてきた航空会社の各種業務をたゆまず品質向上させていくことが、さらに企業価値を高める鍵となります」と、今後の事業成長の方針を話す。
創業33年目に新規業務獲得の悲願を叶えたKAPSは、今、新たな滑走路を進み始めた。
従業員の夢をのせてKAPSは飛び立つ、未知なる大空へ。
(執筆:株式会社 広告と写真社)