コーポレート・ガバナンス

コーポレート・ガバナンスに関する報告書

(1)コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方

当社は、「『人』と『絆』を大切に、社会の基盤を革新し、新たな価値を創造します」という企業理念を実践していくことにより、誠実に社会的責任を果たし、広く社会から信頼を得て、継続的な企業価値向上を目指すことを重要なミッションと位置づけております。
この考え方に基づき、事業活動を通じて、すべてのステークホルダーと良好な関係を築き、迅速で効率的、健全かつ公正で透明性の高い経営を推進するため、経営の監督機能強化や情報の開示に取り組むなど、適宜必要な施策を実施しております。

(2)企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由

当社は監査役会設置会社であります。

Ⅰ)取締役会

当社の取締役会は、提出日現在において、取締役5名(うち3名は社外取締役)で構成しております。原則として月に1回の定例取締役会を開催しているほか、必要に応じて臨時取締役会を開催し、経営の基本方針及び経営に関する重要事項を決定するとともに、業務執行の監督機能の強化に努めております。また、経営環境の変化に迅速に対応し、取締役の各事業年度の経営に対する責任を明確にするため、取締役の任期を1年とするとともに、迅速な意思決定と業務執行を行うため、執行役員制度を導入しております。
当事業年度は、取締役会を17回開催し、経営の基本方針、サステナビリティ、コーポレート・ガバナンス、M&A等の経営に関する重要事項について、審議・討議を行いました。なお、上記記載の回数のほか、取締役会決議があったものとみなす書面決議を1回実施しました。
個々の取締役の出席状況については次のとおりであります。

(当事業年度の出席状況)

地位 氏名 開催回数(回) 出席回数(回)
代表取締役会長兼社長執行役員(議長) 鴻池 忠彦 17 17
取締役専務執行役員 鴻池 忠嗣 17 17
社外取締役 大田 嘉仁 17 17
社外取締役 増山 美佳 17 17
社外取締役 藤田 泰介 17 17

Ⅱ)監査役会

当社は監査役制度を導入しており、監査役4名のうち2名が社外監査役であります。監査体制の強化を図るため、2008年6月25日に開催された第68回定時株主総会の決議を経て、監査役会を設置し、原則として月に1回の定例監査役会を開催し、監査機能の強化を図っております。

Ⅲ)人事・報酬委員会

2019年6月26日の取締役会において、取締役、監査役及び執行役員の指名、並びに取締役、執行役員の報酬に係る取締役会の機能の独立性・客観性を強化することを目的に、取締役会の任意の諮問機関として「人事・報酬委員会」の設置を決議いたしました。当事業年度は、取締役会の諮問に基づき、委員会を11回開催し、取締役及び執行役員の指名・報酬等について審議及び答申を行いました。なお、人事・報酬委員会は、独立社外取締役2名、社外取締役1名、社内取締役1名の合計4名によって構成され、独立社外取締役の割合は半数に留まりますが、独立社外取締役が委員長を務めていることもあり、人事・報酬委員会の独立性・客観性は確保できているものと判断しております。
個々の委員の出席状況については次のとおりであります。

(当事業年度の出席状況)

地位 氏名 開催回数(回) 出席回数(回)
社外取締役(委員長) 大田 嘉仁 11 11
代表取締役会長兼社長執行役員 鴻池 忠彦 11 11
社外取締役 増山 美佳 11 11
社外取締役 藤田 泰介 11 11

以上の取り組みにより、経営の透明性・効率性を担保することができると考え、現在の体制を採用しております。

(3)企業統治に関するその他の事項

基本的な考え方

当社は、「『人』と『絆』を大切に、社会の基盤を革新し、新たな価値を創造します」を企業理念に掲げると共に、会社法及び会社法施行規則に基づき、当社及び当社の子会社(以下「当社グループ」という)の業務の適正を確保するための体制の整備に関する基本方針を、以下のとおり定めます。

イ.内部統制システムの推進体制

サステナビリティ委員会並びにその下部組織である内部統制部会、リスクマネジメント部会、情報セキュリティ部会、コンプライアンス部会及び環境部会を設置しております。

ロ.取締役及び使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制

  • 当社は、企業理念に謳う当社グループが大切にする価値観「『人』と『絆』を大切に」並びに行動指針に基づき、役員及び従業員の業務執行が法令及び定款に適合することを確保するために「企業倫理規程」を制定します。
  • 「企業倫理規程」の遵守の徹底と実践的運用を行うため、役員及び従業員に対する教育・研修を実施するとともに、「コウノイケ・ヘルプライン運用基準」を定め、「コウノイケ・ヘルプライン」(以下「ヘルプライン」という)の窓口を社内・社外に設置するなどの体制を整備します。
  • 「コンプライアンス規程」を定め、コンプライアンス部会を設置し、当社グループのコンプライアンス体制の構築・推進を図ります。なお、同部会の委員の内1名は社外の有識者とします。
  • 内部監査室は、「内部監査規程」に基づき、原則として当社の全部門に対し、予め定められた監査計画に沿って内部監査を実施します。その結果については、社長執行役員及び監査役、必要に応じて取締役会に報告します。
  • 社会の秩序や安全に脅威を与える反社会的勢力との関係断絶及び不当な要求への明確な拒絶のための体制の整備に努めます。

ハ.取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制

  • 取締役の職務に係る議事録等の文書その他の情報は、「文書管理規程」等の社内規程に従い、各主管部門において、適切に保存及び管理を行います。
  • 取締役及び監査役は、これらの情報を常時閲覧できることとします。
  • 「情報セキュリティ基本方針」及び「情報セキュリティ管理規程」を整備するとともに、情報管理の徹底を図るため、情報セキュリティ部会を設置し、情報の取扱い・保管・セキュリティに関する適切な運用を図ります。

ニ.損失の危険の管理に関する規程その他の体制

  • 「リスクマネジメント規程」により、事業上のリスク管理に関する基本方針や体制を定め、リスクマネジメント部会を設置して、企業価値を毀損させる可能性のあるリスクの発現や、危機の発生を予防・抑制する活動を継続的に展開し、実効性のあるリスク管理体制の運用を図ります。
  • リスクマネジメント部会においては、事業上のリスクを①事業継続リスク、②資産保全リスク、③業務運営リスクの3つのカテゴリーに分類するとともに、2つの管理レベル(全社リスクと部門リスク)を設け、カテゴリーと管理レベルに応じて適正なリスク管理を実施します。
  • 「事業継続計画(BCP)」に関して、危機対応マニュアルの整備や「危機管理基準」を制定し、大災害や大事故、不祥事等の不測の事態が発生した時でも事業の継続や早期の復旧・再開ができる体制を構築します。

ホ.取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制

  • 取締役の職務の効率性を確保するため、取締役会において取締役の合理的な職務分掌及び適切な執行役員の任命を行います。
  • 取締役会を原則毎月開催し、「取締役会規則」に基づき、経営に関する重要事項について、経営判断の原則及び善良なる管理者の注意義務等に基づき審議・決定を行うとともに、定期的に職務の執行状況等について報告します。また、「経営会議規程」を定め、取締役会の下部機関として経営会議を設置し、定期的に開催します。
  • 取締役会において策定した中期経営計画及び年度予算について、月次・四半期毎に業績管理を行い、達成状況の確認、計画及び予算の見直しを行います。

ヘ.当社並びに子会社から成る企業集団における業務の適正を確保するための体制

  • 子会社の取締役等の職務の執行に係る事項の当社への報告に関する体制
    • 「関係会社管理規程」において、当社と子会社の情報共有及び業務上の報告についてルールを定めるとともに、子会社の営業成績、財務状況その他重要な情報について、当社への定期的な報告を義務づけます。
    • 定期的に各事業本部の所管のもと関係会社月次報告会を開催し、経営上の重要情報の共有に努めるとともに、子会社において重要な事象が発生した場合には、子会社に対して随時当社取締役会又は当社取締役への報告を義務づけます。
  • 子会社の損失の危機の管理に関する規程その他の体制
    • 当社グループは当社が策定する「リスクマネジメント規程」を共有し、同規程が定めるリスクマネジメント小部会の運営を通じて当社グループ全体のリスクを網羅的かつ統括的に管理します。
    • 当社内に設置されるリスクマネジメント部会は当社グループのリスク管理を担当する機関として、グループ全体のリスクマネジメント推進に係る課題及びその対策を審議します。
    • 当社グループは、不測の事態や危機の発生時に備え、当社グループ全体の「事業継続計画(BCP)」に関して危機対応マニュアルの整備や「危機管理基準」を策定して、当社グループの役員及び従業員に周知徹底し、当社グループの事業継続の円滑な実施を図ります。
  • 子会社の取締役等の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
    • 当社グループは、各社の社内規程において明確化された職務分掌及び権限に基づいて業務運営を行い、分業体制による業務の専門化・高度化を図ります。また、かかる体制の中で、重要度に応じて職務権限を委任できることとし、意思決定手続きの機動性向上を図ります。
    • 当社グループを網羅する中期経営計画及び年度予算を策定します。かかる策定の作業については、経営層からのトップダウンと事業部門からのボトムアップを適切に組み合わせながら行います。
    • 策定した中期経営計画及び年度予算について、適切な進捗管理等を実施することを通じて職務執行の効率化を図ります。
  • 子会社の取締役等及び使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
    • 当社は、「企業倫理規程」を制定するとともに「経営品質ハンドブック」を作成し、当社グループの全ての役員及び従業員に周知徹底します。
    • 当社は、当社グループ各社の規模や業態等に応じて、適正数の監査役やコンプライアンス推進担当者を配置するように努めます。
    • 当社は、当社グループの役員及び従業員に対し、定期的に法令遵守等に関する研修を行い、コンプライアンス意識の醸成を図ります。
    • 当社の内部監査室は、「内部監査規程」及び「関係会社管理規程」に基づき、当社グループ各社に対する原則として年1回の内部監査を実施します。
    • 当社は、当社グループ各社が利用可能な「ヘルプライン」を設置し運用します。
    • 当社グループの海外拠点については、当該拠点ごとに現地の法律・会計・税務についての随時の相談、アドバイスを求めることができる提携先を確保し、コンプライアンス体制の整備・運用に努めます。
    • 当社グループ各社は、反社会的勢力の排除に向けて「反社会的勢力による被害を防止するための基本方針」に基づき、体制の整備に努めます。

ト.監査役のその職務を補助すべき使用人の取締役からの独立性及び当該使用人に対する指示の実効性の確保に関する事項

  • 監査役会の下に監査役室を置き、監査役室に監査役の職務を補助すべき専任の使用人を常時配置し、監査役の職務を補助させるものとします。
  • 監査役補助者に関する人事を決定するにあたっては、監査役の意見を求めることとします。
  • 当社は、「監査役監査基準」において、監査役の補助使用人に対する指揮命令権を定めます。

チ.当社の監査役への報告に関する体制

  • 当社グループの役員及び従業員は、当社監査役からの業務執行に関する事項について報告を求められたときは、速やかに適切な報告を行います。
  • 当社の役員及び従業員は、法令等の違反行為等や、当社又は当社の子会社に著しい損害を及ぼすおそれのある事実を発見した場合、直ちに当社の監査役又は監査役会に対して報告を行います。
  • 当社の内部統制、内部監査、コンプライアンス及びリスク管理を所管する各担当部署は、定期的又は必要に応じて適宜遅滞なく当社監査役に対し、当社グループにおける内部統制、内部監査、コンプライアンス、リスク管理等の現状を報告します。
  • 当社グループのヘルプライン担当部署は、当社グループの役員及び従業員からの内部通報状況について、定期的に当社監査役に対し報告します。

リ.監査役への報告したことを理由として不利益扱いを受けないことを確保するための体制

  • 当社は、「監査役監査基準」において、当社グループの監査役への報告を行った当社グループの役員及び従業員に対し、当該報告をしたことを理由として不利な取扱いを行うことを禁止し、その旨を当社グループの役員及び従業員に周知徹底します。
  • 「コウノイケ・ヘルプライン運用基準」に基づいて、ヘルプライン担当部署は、当社グループの役員及び従業員から法令、定款又は社内規程に違反する重大な事実、その他コンプライアンス上の重大な問題にかかわる通報を受けた場合、通報内容について速やかに当社監査役に報告します。
    また、当該通報をしたこと自体による解雇その他の不利益取扱いの禁止を明記します。

ヌ.監査役の職務の執行について生じる費用の前払又は償還の手続その他の当該職務の執行について生じる費用又は債務の処理に係る方針に関する事項、その他監査役の監査が実効的に行われることを確保するための体制

  • 当社は、監査役がその職務の執行について、当社に対し、会社法第388条に基づく費用の前払い等の請求をしたときは、担当部署において審議の上、当該請求に係る費用又は債務が当該監査役の職務の執行に明らかに必要でないと認められた場合を除き、速やかに当該費用又は債務を処理します。
  • 当社は、監査役会が独自の外部専門家(弁護士、公認会計士等)を監査役のための顧問とすることを求めた場合、当該監査役の職務の執行に明らかに必要でないと認められた場合を除き、その費用を負担します。
  • 当社は、監査役の職務の執行について生じる費用等を支弁するため、毎年、一定額の予算を設けます。
  • 監査役は、内部監査室及び会計監査人との連携に努め、定期的な打ち合わせを行うほか、監査結果についての報告を受け、必要に応じ随時情報交換を行うことで監査の実効性を確保します。

なお、当社の機関及び内部統制等の整備の概要は以下のとおりです。

(4)リスク管理体制の整備の状況

当社は、事業環境の変化に対応しながら持続的な成長を達成していくため、企業活動に伴うさまざまなリスクについては、各部署においてリスクの分析や予防対策の検討などを進め、それぞれの本部担当役員が対応部署を通じ、必要に応じて規程・ガイドラインの制定、研修、マニュアルの制定・配付等を行う体制をとっております。また、企業の社会的責任遂行のための調査、研究、指導、助言を行う部署としてコンプライアンス部を設置するとともに、さらなる法令遵守体制の確立に向け、組織的又は個人的な法令違反行為等に関する相談については、監査役への報告に関する体制等を定めているほか、社内(専任部署のコウノイケ・ヘルプライン)及び社外(顧問弁護士事務所)に通報窓口を開設しております。
なお、法務上の問題については、顧問弁護士と顧問契約を締結し、必要に応じて指導及び助言等を受け、適切な対処を行える体制をとっております。

(5)取締役の定数

当社の取締役は、10名以内とする旨を定款に定めております。

(6)取締役の選任及び解任の決議要件

当社は、取締役の選任決議について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨を定款に定めております。なお、累積投票による取締役の選任については、累積投票によらないものとする旨定款に定めております。

(7)責任限定契約の内容の概要

当社は、2008年6月25日開催の定時株主総会において社外監査役、2010年6月22日開催の定時株主総会において社外取締役の責任限定契約を可能とする旨を定款に定めております。

イ.社外取締役との責任限定契約

会社法第427条第1項の規定に基づき、同法第423条第1項の損害賠償責任を限定する契約を締結しております。当該契約に基づく損害賠償責任の限度額は、法令が規定する額を限度としております。なお、当該責任限定が認められるのは、当該社外取締役が責任の原因となった職務の遂行について、善意でかつ重大な過失がないときに限られます。

ロ.社外監査役との責任限定契約

会社法第427条第1項の規定に基づき、同法第423条第1項の損害賠償責任を限定する契約を締結しております。当該契約に基づく損害賠償責任の限度額は、法令が規定する額を限度としております。なお、当該責任限定が認められるのは、当該社外監査役が責任の原因となった職務の遂行について、善意でかつ重大な過失がないときに限られます。

(8)補償契約の内容の概要等

当社は、取締役及び監査役との間に、会社法第430条の2第1項に規定する補償契約を締結しており、同項第1号の費用及び同項第2号の損失を法令の定める範囲内において当社が補填することとしております。なお、当該補償契約によって会社役員の職務の執行の適正性が損なわれないようにするため、会社役員がその職務を行うにつき悪意又は重大な過失があった場合には補償の対象としないこととするなどの措置を講じております。

(9)役員等賠償責任保険契約の内容の概要等

当社は、保険会社との間で、当社の取締役・監査役・執行役員(当事業年度中に在任していた者を含む。)を被保険者とする、会社法第430条の3第1項に規定する役員等賠償責任保険契約を締結しており、保険料は全額当社が負担しております。
当該保険契約の内容の概要は、被保険者である対象役員が、その職務の執行に関し責任を負うこと又は当該責任の追及に係る請求を受けることによって生ずることのある損害を当該保険契約により保険会社が填補するものであり、1年毎に契約更新しております。
なお、当該保険契約では、当社が当該役員に対して損害賠償を追求する場合等は保険契約の免責事項としており、また、填補する額について限度額を設けることにより、当該役員の職務の執行の適正性が損なわれないようにするための措置を講じております。

(10)株主総会決議事項を取締役会で決議することができることとしている事項

当社は、株主への機動的な利益還元を行うため、「会社法第459条第1項各号に定める事項については、法令に別段の定めのある場合を除き、株主総会の決議によらず取締役会の決議によって定める」旨定款に定めております。これは、剰余金の配当等を取締役会の権限とすることにより、株主への機動的な利益還元を目的とするものであります。

(11)株主総会の特別決議要件

当社は、会社法第309条第2項に定める株主総会の特別決議要件について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨を定款に定めております。これは、株主総会における特別決議の定足数を緩和することにより、株主総会の円滑な運営を行うことを目的とするものであります。

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