香港向けの食品輸出の手続き|流れと輸入規制、注意点を解説
国際物流
2024年の訪日外国人観光客数は3,687万人となり、過去最高を記録しました。外国人観光客の目的には様々なものがありますが、その一つに日本の食品に対する関心があります。報道においても農林水産物やアルコール飲料(日本酒)などへの注目が取り上げられています。
そして、日本の食品に対して強い関心を持つ国の1つに香港が挙げられます。香港は購買力の高さ、関税や輸入規制の少なさ等を特徴としており、海外に向けて日本の食品を輸出したいと考えている事業者にとっては是非攻略したいマーケットと言えるでしょう。
今回は、香港向けの食品輸出における市場規模、輸入規制の概要、国際物流の手配などについて解説します。また、香港向けの食品輸出の事例についても紹介します。
そして、日本の食品に対して強い関心を持つ国の1つに香港が挙げられます。香港は購買力の高さ、関税や輸入規制の少なさ等を特徴としており、海外に向けて日本の食品を輸出したいと考えている事業者にとっては是非攻略したいマーケットと言えるでしょう。
今回は、香港向けの食品輸出における市場規模、輸入規制の概要、国際物流の手配などについて解説します。また、香港向けの食品輸出の事例についても紹介します。
香港向け食品輸出の市場規模
香港における日本からの輸入食品はどのぐらいの市場規模を持つのでしょうか?ここでは、日本貿易振興機構(JETRO)の調査資料を利用しながら市場規模を概観します。
参照元:香港への農林水産物・食品の輸出に関するカントリーレポート(JETRO)
日本からの輸入額の構成比をみると魚介類や加工食品の比率が高くなっていますが、個別の品目では真珠やアルコール飲料(日本酒)、牛肉などが上位を占めています。特に牛肉はコロナ禍の際に需要を掴み、2020年代に大きく輸入額を増加させています。
牛肉以外でも日本からの鶏卵の輸入が大きく伸長しており、2019年から2023年までの間に輸入額が約3倍に増えています。上記のJETROの調査資料では、鮮度や安全性などを求めるマーケットの需要を捉えた結果であるという評価がなされています。
参照元:香港への農林水産物・食品の輸出に関するカントリーレポート(JETRO)
また、日本料理店もコロナ禍の影響が深刻だった2020年を除いて着実に増加しています。香港においては中華料理を除く外国料理の中では最大のシェアを占めています。これらのことから、日常的に日本の食品に慣れ親しんでいることがわかります。
参照元:香港への農林水産物・食品の輸出に関するカントリーレポート(JETRO)
他にもECサイトやフードデリバリーなどにおいても日本の食品が取り扱われています。購買力が高く、日本の食品に対する関心が強い香港は、非常に魅力的なマーケットであることがわかります。
香港向け農林水産物・食品の輸出の拡大
JETROが香港の貿易統計をもとにまとめた資料によると、2023年の日本からの輸入食品の市場規模は118.3億HKD(香港ドル)に上ります。日本円にすると2,173.7億円に相当し、国別ランキングで見ると輸出先としては中国に続く2位となります。参照元:香港への農林水産物・食品の輸出に関するカントリーレポート(JETRO)
日本からの輸入額の構成比をみると魚介類や加工食品の比率が高くなっていますが、個別の品目では真珠やアルコール飲料(日本酒)、牛肉などが上位を占めています。特に牛肉はコロナ禍の際に需要を掴み、2020年代に大きく輸入額を増加させています。
牛肉以外でも日本からの鶏卵の輸入が大きく伸長しており、2019年から2023年までの間に輸入額が約3倍に増えています。上記のJETROの調査資料では、鮮度や安全性などを求めるマーケットの需要を捉えた結果であるという評価がなされています。
小売・外食市場での支持
日本の食品は現地のスーパーマーケットでも広く取り扱われています。生鮮食品は日系スーパーマーケットのみならず地場系高級スーパーマーケットで取り扱われており、加工食品については全レベルのスーパーマーケットで取り扱いがあるとされています。参照元:香港への農林水産物・食品の輸出に関するカントリーレポート(JETRO)
また、日本料理店もコロナ禍の影響が深刻だった2020年を除いて着実に増加しています。香港においては中華料理を除く外国料理の中では最大のシェアを占めています。これらのことから、日常的に日本の食品に慣れ親しんでいることがわかります。
参照元:香港への農林水産物・食品の輸出に関するカントリーレポート(JETRO)
他にもECサイトやフードデリバリーなどにおいても日本の食品が取り扱われています。購買力が高く、日本の食品に対する関心が強い香港は、非常に魅力的なマーケットであることがわかります。
香港における輸入規制の概要
香港は輸入規制等が多くないと言われますが、食品の安全性の確保については規制が設けられています。ここでは、香港における食品輸入規制の代表的なものを取り上げて解説します。
その後、輸入規制の緩和の動きが続き、2018年7月には「放射性物質検査証明書」および「輸出事業者証明書」を提出することを条件に福島近隣4県の野菜、果実、牛乳、乳飲料、粉乳の輸入が再開されました(福島県については、2025年11月現在でも輸入停止の状態が継続中)。
他にも、福島県及び近隣4県の牛肉・豚肉・鶏肉・鶏卵なども「放射性物質検査証明書」が必要です。
水産物には魚介類の他に海塩や海藻(未加工または加工されたもの)も含まれており、2023年8月24日以降に上記10都県で収穫・製造・加工・パッキングされたものが対象となっています。
なお、ALPS処理水放出に係る輸入規制は水産物加工品にも適用されるため、水産物を原料とする加工食品についても輸入規制が及ぶことになります。
具体的な内容としては、「部分水素添加油脂(PHO)の食品への使用禁止」と「水素添加油脂を含む食品の表示義務」です。前者はPHOを含む油脂の輸入やPHOを含む食品の販売・流通の禁止、後者は水素添加油脂について明示することが定められております。
ただし、牛肉や豚肉などの食肉や鶏卵などを輸出する場合は日本の動物検疫所の輸出検疫証明書が必要になります。日本国内で豚熱などの家畜伝染病が発生した場合、輸出検疫証明書の発行が停止される場合があるので、常に最新の情報を取得するようにしてください。
参照元:日本から輸出される食肉等の受入れ状況一覧(動物検疫所)
また、香港では食品添加物の管理にあたってはポジティブリスト制度を採用しており、法律で定める物質のみが使用できます。甘味料・着色料・保存料に関するルールがありますので、これらを使用する食品を輸出する際は注意が必要です。
参照元:香港における食品添加物の規制状況(JETRO)
- 「原発事故」に関する規制
- 「ALPS処理水放出」に関する規制
- 「トランス脂肪酸」に関する規制
- 「動植物検疫」に関する規制
- その他の規制
「原発事故」に関する規制
2011年の東日本大震災により原発事故が発生し、福島県およびその近隣地域の農林水産物・食品の放射能汚染リスクへの懸念が生じました。その結果、香港では福島県及び近隣4県(茨城県・栃木県・群馬県・千葉県)の食品の一部が禁止される事態となりました。その後、輸入規制の緩和の動きが続き、2018年7月には「放射性物質検査証明書」および「輸出事業者証明書」を提出することを条件に福島近隣4県の野菜、果実、牛乳、乳飲料、粉乳の輸入が再開されました(福島県については、2025年11月現在でも輸入停止の状態が継続中)。
他にも、福島県及び近隣4県の牛肉・豚肉・鶏肉・鶏卵なども「放射性物質検査証明書」が必要です。
「ALPS処理水放出」に関する規制
2023年8月、香港政府は福島第一原発事故の汚染水を浄化処理したものであるALPS処理水の海洋放出の開始に伴って10都県(東京都、福島県、千葉県、栃木県、茨城県、群馬県、宮城県、新潟県、長野県、埼玉県)の水産物の輸入禁止措置を実施しました。水産物には魚介類の他に海塩や海藻(未加工または加工されたもの)も含まれており、2023年8月24日以降に上記10都県で収穫・製造・加工・パッキングされたものが対象となっています。
なお、ALPS処理水放出に係る輸入規制は水産物加工品にも適用されるため、水産物を原料とする加工食品についても輸入規制が及ぶことになります。
「トランス脂肪酸」に関する規制
世界的な健康志向の高まりの中で、各国のトランス脂肪酸(脂肪酸=脂質の構成成分)に対する規制が強化されています。香港においても、トランス脂肪酸の原因となる水素添加油脂に係る規制が2023年12月から施行されています。具体的な内容としては、「部分水素添加油脂(PHO)の食品への使用禁止」と「水素添加油脂を含む食品の表示義務」です。前者はPHOを含む油脂の輸入やPHOを含む食品の販売・流通の禁止、後者は水素添加油脂について明示することが定められております。
「動植物検疫」に関する規制
香港では、動物検疫及び植物検疫に関する規制はそれほど多くありません。特に植物については日本の輸出検査を受けずに輸出できるものが多く、輸出検査が求められるのは苗や種子などに限られています(苗は香港が発給する輸入許可証を取得することも必要です)。ただし、牛肉や豚肉などの食肉や鶏卵などを輸出する場合は日本の動物検疫所の輸出検疫証明書が必要になります。日本国内で豚熱などの家畜伝染病が発生した場合、輸出検疫証明書の発行が停止される場合があるので、常に最新の情報を取得するようにしてください。
参照元:日本から輸出される食肉等の受入れ状況一覧(動物検疫所)
その他の規制
その他にも、ラベル表示や食品添加物に関する規制があります。表示に関しては、小売り向けの食品については、現地語もしくは英語での成分表示およびラベル貼り付けが必要になります。その中でも賞味期限については現地語と英語の両方の記載が求められます。また、香港では食品添加物の管理にあたってはポジティブリスト制度を採用しており、法律で定める物質のみが使用できます。甘味料・着色料・保存料に関するルールがありますので、これらを使用する食品を輸出する際は注意が必要です。
参照元:香港における食品添加物の規制状況(JETRO)
国際物流の手配
香港への食品輸出にあたっては、実際に食品を輸送するプロセスである国際物流に対する理解も深める必要があります。ここでは、国際物流の手配について解説します。
なお、品質維持のために倉庫および輸送の全過程で温度管理が必要になる貨物もあります。その場合は、倉庫においては定温倉庫もしくは冷凍・冷蔵倉庫を、輸送においては温度管理が可能なコンテナの利用を検討する必要があります。
鴻池運輸は日本全国に定温倉庫(冷凍・冷蔵倉庫)を有し、適切な温度管理の下で輸出するノウハウを有しています。定温物流サービス(冷凍・冷蔵・定温・常温)をご希望の際は、ぜひご検討ください。
また、船社もしくは航空会社に貨物を引き渡した後、B/L(船荷証券)もしくはAWB(航空運送状)を受領します。輸入者が貨物を引き取る場合にB/Lの原本が必要になるため、国際宅配便などを利用して輸入者宛にB/Lを送付します。
なお、先述のように、香港では輸入規制の一環として指定地域の特定の食品を輸入する場合は「放射性物質検査証明書」や「輸出事業者証明書」などを要求する場合があります。国際物流の手配と並行して準備しておき、香港側での輸入通関をスムーズに進められます。
また、輸入者はフォワーダーや通関業者に依頼して輸入申告を行います。輸入申告とは別に輸入規制に対応するために証明書類がある場合、事前に揃えておくことで香港の行政当局の要求に対して迅速な対応ができます。
輸入申告に対する香港税関の審査が完了すれば、輸入許可を取得できます。香港は自由貿易の伝統が強く、酒やたばこなどの一部の品目を除いて関税や付加価値税がかからないため、納税のプロセスはほとんど存在しません。
また、輸入地においても輸出時と同様の温度管理が必要な場合、定温倉庫もしくは冷凍・冷蔵倉庫に輸入貨物を保管する必要があります。輸出入のすべてのプロセスにおいて高品質な保管・配送体制を求める場合は、実績のある物流業者に委託することが望ましいと言えます。
鴻池運輸は香港に拠点を有しており、フォワーディングサービスからロジスティクスサービスまでワンストップで提供可能です。香港における物流サービスをご希望の際は、ぜひご検討ください。
日本における国際物流の手配
まずは、モノの動き(倉庫および輸送)と書類의動き(輸出通関)に分けて解説します。モノの動き(倉庫および輸送)
香港向けに食品輸出が決定した場合、香港向けの海上輸送もしくは航空輸送の手配が確定するまで倉庫に貨物が保管されます。その後、輸出スケジュールに合わせて輸出コンテナに当該貨物を詰めて近くの港湾や空港までトラックで輸送します。なお、品質維持のために倉庫および輸送の全過程で温度管理が必要になる貨物もあります。その場合は、倉庫においては定温倉庫もしくは冷凍・冷蔵倉庫を、輸送においては温度管理が可能なコンテナの利用を検討する必要があります。
鴻池運輸は日本全国に定温倉庫(冷凍・冷蔵倉庫)を有し、適切な温度管理の下で輸出するノウハウを有しています。定温物流サービス(冷凍・冷蔵・定温・常温)をご希望の際は、ぜひご検討ください。
書類の動き(輸出通関)
輸出者は、モノの輸出手配と並行してI/V(貨物の請求書)やP/L(貨物の明細書)などの貿易書類の準備も欠かせません。フォワーダーや通関業者に貿易書類を提供して輸出申告を進めてもらい、税関から輸出許可を取得します。また、船社もしくは航空会社に貨物を引き渡した後、B/L(船荷証券)もしくはAWB(航空運送状)を受領します。輸入者が貨物を引き取る場合にB/Lの原本が必要になるため、国際宅配便などを利用して輸入者宛にB/Lを送付します。
なお、先述のように、香港では輸入規制の一環として指定地域の特定の食品を輸入する場合は「放射性物質検査証明書」や「輸出事業者証明書」などを要求する場合があります。国際物流の手配と並行して準備しておき、香港側での輸入通関をスムーズに進められます。
香港における国際物流の手配
続いて、実際に貨物が輸送され、香港に到着した後の動きについて解説します。書類の動き(輸入通関)
香港に貨物が到着すると、船社もしくは航空会社は輸入者宛にA/N(貨物の到着案内)を送付します。輸入者はA/Nに記載の費用を支払うことで船社もしくは航空会社から輸入コンテナの搬出許可を取得できます。また、輸入者はフォワーダーや通関業者に依頼して輸入申告を行います。輸入申告とは別に輸入規制に対応するために証明書類がある場合、事前に揃えておくことで香港の行政当局の要求に対して迅速な対応ができます。
輸入申告に対する香港税関の審査が完了すれば、輸入許可を取得できます。香港は自由貿易の伝統が強く、酒やたばこなどの一部の品目を除いて関税や付加価値税がかからないため、納税のプロセスはほとんど存在しません。
モノの動き(倉庫および輸送)
輸入者は、先述の船社もしくは航空会社による輸入コンテナの搬出許可と税関の輸入許可を取得した後、輸入貨物を倉庫までトラックで輸送します。輸入貨物はいったん入庫されたのち、輸入国内でのオーダーに合わせて出荷するまでの間、庫内で保管されます。また、輸入地においても輸出時と同様の温度管理が必要な場合、定温倉庫もしくは冷凍・冷蔵倉庫に輸入貨物を保管する必要があります。輸出入のすべてのプロセスにおいて高品質な保管・配送体制を求める場合は、実績のある物流業者に委託することが望ましいと言えます。
鴻池運輸は香港に拠点を有しており、フォワーディングサービスからロジスティクスサービスまでワンストップで提供可能です。香港における物流サービスをご希望の際は、ぜひご検討ください。
香港向けの食品輸出の事例
では、香港向けの食品輸出はどのようなものでしょうか?ここでは、農林水産省の資料から香港向けの食品輸出の事例を取り上げて解説します。
この事例では、生産者は宮崎県で生産されたさつまいもを英語表記のある輸出専用の段ボールに梱包し、神戸港まで輸送します。神戸港では通関手続きを行うとともに、冷蔵コンテナ(13〜15℃)に積み込み、船便で香港まで輸送します。
また、品質面では冷蔵コンテナ内での結露が課題になっていましたが、現在ではメーカーと協力して専用の鮮度保持フィルムを開発することで事故を減らすことができています。このことから、品質を維持する取り組みが食品輸出の成否を左右することが理解できます。
参照元:農林水産物・食品輸出の手引き ~国際輸送の鮮度保持技術・事例を中心に~(農林水産省)
なお、さつまいもについても輸出検査が求められません。輸入規制の1つであるラベル表示対応は求められますが、規制対応の手間をそれほどかけずに購買力の高い市場に容易にアクセスできるという点は、香港の最大の特徴であると言えます。
この事例では、現地法人が発注した商材をラーメンチェーンの工場が生産もしくは調達し、20FTの冷蔵コンテナ(4℃)に積載した後、福岡港で輸出通関と船積みを行います。香港到着後は現地工場の冷蔵庫に搬入し、各店舗に配送する際は冷蔵トラックを使用します。
商材を送る際は衝撃への対応に注意しており、国内向けの輸送に利用しているプラスチック容器(通い箱)と強度のある段ボールを併用しています。また、保管と輸送で一貫して冷蔵設備を活用するなど、高度なコールドチェーンを築き上げています。
参照元:農林水産物・食品輸出の手引き ~国際輸送の鮮度保持技術・事例を中心に~(農林水産省)
調査の対象となった事業者は、ラーメンを現地価格で89HKD(平成28年調査時点:当時のレートで1,300〜1,400円)で販売しており、この事実から高い購買力を期待できることがうかがえます。また、輸入規制が少ない点も食品企業にとっては魅力的と言えます。
香港は日本の食品の受容力、高い購買力、そして輸入規制の少なさを踏まえると、ぜひとも食品輸出のターゲットにしたい市場です。国際物流においても現地のニーズに応えるような工夫をすることで市場攻略の道筋が見えてきます。
この記事が、皆さまの香港向け食品輸出の参考になれば幸いです。
当社鴻池運輸には、1980年代からの海外展開で蓄積された豊富なノウハウと世界に広がるグローバルネットワークがあり、お客様の国際物流を支えることができます。北中米、中国、アセアン、インドを中心にフォワーディングをはじめ、ロジスティクス、コントラクト、エンジニアリング、パッケージング、トレーディングなど様々な事業を展開。
国際貿易業務に限らず、海外展開でのお困りごとがあれば、お気軽に当社までお問い合わせください。詳しくは、こちらの「国際物流」のページをご参照ください。
香港向けさつまいも輸出の事例
1つ目の事例は、「さつまいも」の香港向け輸出です。生産者自身が香港の現地系スーパーマーケットの開拓を行い、輸出を拡大しています。また、結露を防止するために特注の鮮度保持フィルムを利用して品質劣化を防ぐ取り組みを進めています。この事例では、生産者は宮崎県で生産されたさつまいもを英語表記のある輸出専用の段ボールに梱包し、神戸港まで輸送します。神戸港では通関手続きを行うとともに、冷蔵コンテナ(13〜15℃)に積み込み、船便で香港まで輸送します。
また、品質面では冷蔵コンテナ内での結露が課題になっていましたが、現在ではメーカーと協力して専用の鮮度保持フィルムを開発することで事故を減らすことができています。このことから、品質を維持する取り組みが食品輸出の成否を左右することが理解できます。
参照元:農林水産物・食品輸出の手引き ~国際輸送の鮮度保持技術・事例を中心に~(農林水産省)
なお、さつまいもについても輸出検査が求められません。輸入規制の1つであるラベル表示対応は求められますが、規制対応の手間をそれほどかけずに購買力の高い市場に容易にアクセスできるという点は、香港の最大の特徴であると言えます。
香港向け加工食品輸出の事例
2つ目の事例は、加工食品(ラーメン関連品)の香港向け輸出です。海外展開を進めるラーメンチェーンが香港に複数店舗を開店しましたが、味の均一化を図るために日本から最低限の素材を輸出することにしたという背景があります。この事例では、現地法人が発注した商材をラーメンチェーンの工場が生産もしくは調達し、20FTの冷蔵コンテナ(4℃)に積載した後、福岡港で輸出通関と船積みを行います。香港到着後は現地工場の冷蔵庫に搬入し、各店舗に配送する際は冷蔵トラックを使用します。
商材を送る際は衝撃への対応に注意しており、国内向けの輸送に利用しているプラスチック容器(通い箱)と強度のある段ボールを併用しています。また、保管と輸送で一貫して冷蔵設備を活用するなど、高度なコールドチェーンを築き上げています。
参照元:農林水産物・食品輸出の手引き ~国際輸送の鮮度保持技術・事例を中心に~(農林水産省)
調査の対象となった事業者は、ラーメンを現地価格で89HKD(平成28年調査時点:当時のレートで1,300〜1,400円)で販売しており、この事実から高い購買力を期待できることがうかがえます。また、輸入規制が少ない点も食品企業にとっては魅力的と言えます。
まとめ
香港向けの食品輸出における市場規模、輸入規制の概要、国際物流の手配などについて解説し、香港向けの食品輸出の事例についても取り上げて紹介しました。香港は日本の食品の受容力、高い購買力、そして輸入規制の少なさを踏まえると、ぜひとも食品輸出のターゲットにしたい市場です。国際物流においても現地のニーズに応えるような工夫をすることで市場攻略の道筋が見えてきます。
この記事が、皆さまの香港向け食品輸出の参考になれば幸いです。
当社鴻池運輸には、1980年代からの海外展開で蓄積された豊富なノウハウと世界に広がるグローバルネットワークがあり、お客様の国際物流を支えることができます。北中米、中国、アセアン、インドを中心にフォワーディングをはじめ、ロジスティクス、コントラクト、エンジニアリング、パッケージング、トレーディングなど様々な事業を展開。
国際貿易業務に限らず、海外展開でのお困りごとがあれば、お気軽に当社までお問い合わせください。詳しくは、こちらの「国際物流」のページをご参照ください。
見積り依頼・サービス内容についての
お問い合わせはこちらより承ります。