海上輸送に必要なサーチャージとは?中東情勢の影響と併せて解説
国際物流
2026年2月28日、アメリカとイスラエルによるイラン攻撃が行われ、世界に衝撃を与えました。中東情勢の緊迫化に伴って国際輸送も混乱し、運航の停止や海上運賃の高騰などの影響から物流コストの増加が見込まれています。
海上運賃は基本運賃と割増料金(サーチャージ)で構成され、国際情勢の変化に対してはサーチャージの変更が行われることが一般的です。したがって、サーチャージを左右する要素を理解しておくと、今回のような事態における海上運賃への影響を見通すことができます。
この記事では、サーチャージの概要と詳細、サーチャージが影響を受ける要因について解説します。また、2026年2月末以降のアメリカ・イスラエルによるイラン攻撃で顕在化しつつある具体的な影響についても触れたいと思います。
海上運賃は基本運賃と割増料金(サーチャージ)で構成され、国際情勢の変化に対してはサーチャージの変更が行われることが一般的です。したがって、サーチャージを左右する要素を理解しておくと、今回のような事態における海上運賃への影響を見通すことができます。
この記事では、サーチャージの概要と詳細、サーチャージが影響を受ける要因について解説します。また、2026年2月末以降のアメリカ・イスラエルによるイラン攻撃で顕在化しつつある具体的な影響についても触れたいと思います。
海上輸送におけるサーチャージとは?
そもそも、サーチャージとはどのような位置づけでしょうか?また、サーチャージにはどのようなものがあるのでしょうか?ここでは、海上運賃におけるサーチャージの位置づけとその種類について解説します。
近年では、目まぐるしく変化する市場環境に対応するため、各船社は柔軟で機動的な変更が可能なサーチャージの変更を重視しています。そのため、航路や契約によってはサーチャージの総額が基本運賃を大きく上回るような状況も珍しくありません。
このように、サーチャージには多種多様なものがあります。国際輸送を取り巻く環境の変化に応じて適用される金額が変更されますので、不明な点があれば船社やフォワーダーに都度確認することが必要です。
燃料価格が変化した場合に運賃へ反映されるものであり、サーチャージの代表例として挙げられます。船社によってはFAF(Fuel Adjustment Factor)と呼ぶ場合もあります。
なお、日本から東南アジア向けの航路では、日本円の為替リスクを調整するため、CAFに代えてYAS(Yen Application Surcharge)が導入されています。
地域紛争や武装勢力によるテロ行為が頻発する地域において、安全対策費用の増加をカバーする意図で設定されています。
過去には地政学リスクの顕在化などを背景に課されたことがあり、運航サービスの安定化を名目に設定されます。
港湾労働者のストライキや荷役設備の不足などにより港湾で混雑が発生する場合があり、船社はその追加コストを補う目的でPCSを設定することがあります。
クリスマスシーズンや中国の春節の直前期などに導入されるものであり、価格による需給バランスの調整を行うための付加的な料金として設定されます。
日中航路では、中国側のコンテナ不足への対策として課されることがあり、日本からの輸出が減る一方、中国からの輸入が増えることで生じる不均衡を調整する目的で導入されます。
なお、複数の荷主の貨物を1つのコンテナに混載する場合は、CFS(Container Freight Station)と呼ばれる施設に当該貨物が運び込まれます。CFSにおける取り扱いを行う場合の費用については、CFS Chargeが請求されます。
船社は輸出に際してB/Lを発行し、輸出者はこのB/Lを引き取るためにDOC Feeを支払う必要があります。
船社は輸入者からB/Lの提示を受けてD/Oを発行し、輸入者はD/O Feeを支払うことで初めてD/Oの交付を受けることができます。
海上運賃の構成
海上輸送の運賃は、大きく「基本運賃」と「サーチャージ」の2つで構成されています。基本運賃
基本運賃は、貨物を港から港に輸送するための費用です。現在の海上輸送の主流であるコンテナ輸送の場合、航路やコンテナのサイズに応じて設定されます。サーチャージ
一方で、サーチャージは燃料価格や為替の変動、港湾の混雑や戦争リスクなどに応じて基本運賃に上乗せされる割増料金のことを指します。この設定には、船社の自助努力だけでは対応できない外部要因によるコスト増加を補う目的があります。近年では、目まぐるしく変化する市場環境に対応するため、各船社は柔軟で機動的な変更が可能なサーチャージの変更を重視しています。そのため、航路や契約によってはサーチャージの総額が基本運賃を大きく上回るような状況も珍しくありません。
サーチャージの種類
各船社の設定するサーチャージは、その目的に応じて多岐にわたります。ここでは、代表的なサーチャージの種類について説明します。- BAF(Bunker Adjustment Factor)
- EBS(Emergency Bunker Surcharge)
- LSS(Low Sulphur Fuel Surcharge)
- CAF(Currency Adjustment Factor)
- WRS(War Risk Surcharge)
- ERS(Emergency Recovery Surcharge)
- PCS(Port Congestion Surcharge)
- PSS(Peak Season Surcharge)
- CIC(Container Imbalance Charge)
- THC(Terminal Handling Charge)
- DOC Fee(Documentation Fee)
- D/O Fee(Delivery Order Fee)
このように、サーチャージには多種多様なものがあります。国際輸送を取り巻く環境の変化に応じて適用される金額が変更されますので、不明な点があれば船社やフォワーダーに都度確認することが必要です。
BAF(Bunker Adjustment Factor)
BAFは、船舶燃料であるバンカー油の価格変動に対応するための料金です。燃料価格が変化した場合に運賃へ反映されるものであり、サーチャージの代表例として挙げられます。船社によってはFAF(Fuel Adjustment Factor)と呼ぶ場合もあります。
EBS(Emergency Bunker Surcharge)
EBSは、燃料価格が急激に高騰した場合に導入される緊急的な料金です。通常のBAFでは吸収できないレベルの価格変化が生じた場合に、BAFとは別に追加で設定されることがあります。LSS(Low Sulphur Fuel Surcharge)
LSSは、国際海事機関(IMO)が定めるSOx規制への対応を目的とした低硫黄燃料への切替えのため、2020年に導入された料金です。国際規制対応に伴うコスト増の一部を荷主に転嫁する目的で設定されました。CAF(Currency Adjustment Factor)
CAFは、為替変動による船社の収益変動を調整するための料金です。海上運賃は米ドル建てで契約されることが多く、為替レートの変化によって船社の収益が大きく変動する可能性があるため導入されています。なお、日本から東南アジア向けの航路では、日本円の為替リスクを調整するため、CAFに代えてYAS(Yen Application Surcharge)が導入されています。
WRS(War Risk Surcharge)
WRSは、戦争や紛争のリスクが高い地域を通過する場合に課されるサーチャージです。地域紛争や武装勢力によるテロ行為が頻発する地域において、安全対策費用の増加をカバーする意図で設定されています。
ERS(Emergency Recovery Surcharge)
ERSは、外的要因による船社の運航費用の急騰が発生した際に緊急導入されるサーチャージです。過去には地政学リスクの顕在化などを背景に課されたことがあり、運航サービスの安定化を名目に設定されます。
PCS(Port Congestion Surcharge)
PCSは、港湾の混雑によって発生する追加コストを補うためのサーチャージです。港湾労働者のストライキや荷役設備の不足などにより港湾で混雑が発生する場合があり、船社はその追加コストを補う目的でPCSを設定することがあります。
PSS(Peak Season Surcharge)
PSSは、貨物量が急増する繁忙期に設定されるサーチャージです。クリスマスシーズンや中国の春節の直前期などに導入されるものであり、価格による需給バランスの調整を行うための付加的な料金として設定されます。
CIC(Container Imbalance Charge)
CICは、コンテナの偏在によって生じる不均衡を調整するためのサーチャージです。日中航路では、中国側のコンテナ不足への対策として課されることがあり、日本からの輸出が減る一方、中国からの輸入が増えることで生じる不均衡を調整する目的で導入されます。
THC(Terminal Handling Charge)
THCは、港湾ターミナルで発生するコンテナの積み下ろし作業や搬送作業に関する料金です。別称としてCHC(Container Handling Charge)というものもありますが、同じ内容を意味しています。なお、複数の荷主の貨物を1つのコンテナに混載する場合は、CFS(Container Freight Station)と呼ばれる施設に当該貨物が運び込まれます。CFSにおける取り扱いを行う場合の費用については、CFS Chargeが請求されます。
DOC Fee(Documentation Fee)
DOC Feeは、B/L(船荷証券)を作成・発行するための手数料です。船社は輸出に際してB/Lを発行し、輸出者はこのB/Lを引き取るためにDOC Feeを支払う必要があります。
D/O Fee(Delivery Order Fee)
D/O Feeは、D/O(荷渡指図書)を発行するための手数料です。船社は輸入者からB/Lの提示を受けてD/Oを発行し、輸入者はD/O Feeを支払うことで初めてD/Oの交付を受けることができます。
サーチャージが影響を受ける要因
では、どのような要素がサーチャージに影響を与えるのでしょうか?ここでは、サーチャージの変動要素について解説します。
原油は中東地域などで多く産出されますが、この地域における供給不安が高まると原油価格の上昇からBAF(Bunker Adjustment Factor)の引き上げが発生します。また、経済発展の著しい新興国において原油需要が高まる場合もBAFの引き上げにつながります。
一方で、シェールガスなどの採掘の拡大や世界的な景気後退などの場合には、原油価格が下落することがあります。その際は、BAFの引き下げが発生する可能性があります。
その他にも、世界的な脱炭素に向けた取り組みに関連したサーチャージが設定される可能性も考えられます。過去に、CO2排出量に応じて課税する「炭素税」について、海上輸送分野における適用可否が議論されたこともあり、今後の動きに注意が必要です。
為替市場は経済大国の財政・金融政策の変更などにより大きく変動します。例えば日本の場合、高市政権の「責任ある積極財政」政策により、大幅な円安が進行しました。日本の船社の場合、円安は収益増につながるため、CAF(Currency Adjustment Factor)は引き下げにつながります。
また、地政学リスクが顕在化した海域を迂回するために、船社は航路を変更します。この航路の変更は船社のコストアップにつながるため、運賃の値上げ=特別サーチャージの付加が行われる可能性があります。
その他にも、港湾ストライキや労使交渉などにより、港湾ターミナルの処理能力が一時的に低下する場合がありますが、その際にPCSなどを設定して、そのような港湾に輸送需要の集中を防ぐことがあります。
なお、上記で説明した各要素は、それぞれが個別にサーチャージへ影響を及ぼすだけでなく、複合的に作用する場合もあります。発生する事象によっては、これらの要素が相互に影響し合い、サーチャージへの影響がさらに増幅される可能性もあります。
- 原油価格
- 国際的な環境規制
- 為替市場
- 地政学的リスク
- 船社オペレーション
原油価格
船社の海上輸送コストにおいて影響が大きいものの一つが原油価格です。船舶燃料であるバンカー油は原油から生成されるため、そのコストは原油市場の動向に大きく左右されます。原油は中東地域などで多く産出されますが、この地域における供給不安が高まると原油価格の上昇からBAF(Bunker Adjustment Factor)の引き上げが発生します。また、経済発展の著しい新興国において原油需要が高まる場合もBAFの引き上げにつながります。
一方で、シェールガスなどの採掘の拡大や世界的な景気後退などの場合には、原油価格が下落することがあります。その際は、BAFの引き下げが発生する可能性があります。
国際的な環境規制
先述のように、IMOによるSOx規制では、燃料における硫黄分含有量に厳格な制限が課されました。使用燃料の変更や新たな設備投資が必要になった船社は、規制対応にかかるコストの一部を荷主に転嫁する意図をもってサーチャージを新設しました。その他にも、世界的な脱炭素に向けた取り組みに関連したサーチャージが設定される可能性も考えられます。過去に、CO2排出量に応じて課税する「炭素税」について、海上輸送分野における適用可否が議論されたこともあり、今後の動きに注意が必要です。
為替市場
船社の収入である運賃は米ドル建てであることが多いため、為替市場の動向もサーチャージに影響します。米ドル以外の通貨で収益を把握するアメリカ以外の船社では、為替レートによっては期待通りの収益を上げられない可能性が生じます。為替市場は経済大国の財政・金融政策の変更などにより大きく変動します。例えば日本の場合、高市政権の「責任ある積極財政」政策により、大幅な円安が進行しました。日本の船社の場合、円安は収益増につながるため、CAF(Currency Adjustment Factor)は引き下げにつながります。
地政学リスク
ある海域で地域紛争やテロ行為が生じると、船社は船舶を安全に運航できなくなります。そのため、そのような地政学リスクが高い地域は運航を中止するか、もしくは保険料の意味合いでWRS(War Risk Surcharge)を設定することになります。また、地政学リスクが顕在化した海域を迂回するために、船社は航路を変更します。この航路の変更は船社のコストアップにつながるため、運賃の値上げ=特別サーチャージの付加が行われる可能性があります。
船社オペレーション
平時においても、船社オペレーションの都合でサーチャージが変更される場合があります。物価の高騰は船社のオペレーションにも大きな影響を与えていますが、変動費的な性格を持つサーチャージの調整により、収益の改善を図ることも可能です。その他にも、港湾ストライキや労使交渉などにより、港湾ターミナルの処理能力が一時的に低下する場合がありますが、その際にPCSなどを設定して、そのような港湾に輸送需要の集中を防ぐことがあります。
なお、上記で説明した各要素は、それぞれが個別にサーチャージへ影響を及ぼすだけでなく、複合的に作用する場合もあります。発生する事象によっては、これらの要素が相互に影響し合い、サーチャージへの影響がさらに増幅される可能性もあります。
緊迫する中東情勢がサーチャージに与える影響
2026年2月末のアメリカとイスラエルによるイラン攻撃以降、イランの周辺地域にも戦火が拡大しています。ここでは、2026年3月上旬のイラン情勢に基づいたサーチャージへの影響について見通しを立てます。
世界の主要な産油地域である中東地域の不安定化は原油供給の不安を喚起するため、バンカー油の価格も上昇し、BAF(Bunker Adjustment Factor)の引き上げにつながります。また、原油価格の急激な上昇はEBS(Emergency Bunker Surcharge)の適用の可能性も高めます。
今回のイラン攻撃においては、産油国でもあるアメリカの米ドルが買われ、円安ドル高が進行しました。それに伴い、米ドル建ての海上運賃におけるCAF(Currency Adjustment Factor)の引き下げが予想されます。
ただし、荷主の立場からすると、サーチャージとして適用されるCAFの引き下げが発生しても、米ドル建ての海上運賃は、日本円で換算した時のコストが増加することになります。すなわち、国際輸送にかかるコストが減少するということにはなりません。
また、海上運賃が米ドル建てではなく円建てで設定されている場合は、円安の場合は船社にとっては為替差損が発生しますのでCAFの引き上げにつながります。したがって、自社の海上運賃に適用される通貨を確認することが重要です。
また、軍事的緊張の高まりは安全な運航体制の阻害要因となっており、WRSの適用を検討する船社も出ています。実際、ある欧州系船社では、2026年3月以降、ペルシャ湾地域を発着する貨物に対するWRSの導入を発表しています。
また、このような混乱に関連して、これまでに説明したサーチャージとは別に、中東地域を対象に緊急事態サーチャージ=ECS(Emergency Conflict Surcharge)を新たに付加することを決定した船社もあります。
なお、サーチャージとは別の扱いになりますが、ホルムズ海峡の事実上の閉鎖に伴う船舶の滞留や迂回ルートの選択による運航コストの増加は、基本運賃の高騰にも帰結します。併せて、港湾の混雑に伴うコンテナの動きの停滞も運賃への影響が懸念されます。
このように、今回の中東情勢の緊迫化は、サーチャージの増加につながることが予想されます。基本運賃の高騰とも相まって、遠くない時期に海上運賃が高騰することが懸念されます。
基本運賃と比較して柔軟で機動的な変更が可能なサーチャージには、目的に応じてさまざまな種類のものが存在しています。
そのサーチャージは燃料価格(原油価格)や為替の変動、地政学リスクなどの影響を受けます。今回のイラン攻撃はこれらの要素を大きく変化させる事態であるため、今後のサーチャージの動向には大きな影響が出ることが予想されます。
この記事を通じてサーチャージに関する理解を深め、中東有事のような場合にどのようなプロセスで影響が及ぶか、具体的にイメージできるようになっていただければ幸いです。
当社鴻池運輸には、1980年代からの海外展開で蓄積された豊富なノウハウと世界に広がるグローバルネットワークがあり、お客様の国際物流を支えることができます。北中米、中国、アセアン、インドを中心にフォワーディングをはじめ、ロジスティクス、コントラクト、エンジニアリング、パッケージング、トレーディングなど様々な事業を展開。
国際貿易業務に限らず、海外展開でのお困りごとがあれば、お気軽に当社までお問い合わせください。詳しくは、こちらの「国際物流」のページをご参照ください。
原油価格の高騰=BAFの引き上げ/EBSの適用
最初に予想されるのは、原油価格の高騰の影響です。報道によると、2026年3月4日時点のシンガポール積みのSOx規制適合油はトン当たり574.5ドルとなっており、2026年2月末と比べて50ドル超の上昇を記録しています。世界の主要な産油地域である中東地域の不安定化は原油供給の不安を喚起するため、バンカー油の価格も上昇し、BAF(Bunker Adjustment Factor)の引き上げにつながります。また、原油価格の急激な上昇はEBS(Emergency Bunker Surcharge)の適用の可能性も高めます。
円安ドル高の進行=CAFの引き下げ
地域紛争が発生すると、投資資金は安全資産とされる通貨に流入することがあります。今回のイラン攻撃においては、産油国でもあるアメリカの米ドルが買われ、円安ドル高が進行しました。それに伴い、米ドル建ての海上運賃におけるCAF(Currency Adjustment Factor)の引き下げが予想されます。
ただし、荷主の立場からすると、サーチャージとして適用されるCAFの引き下げが発生しても、米ドル建ての海上運賃は、日本円で換算した時のコストが増加することになります。すなわち、国際輸送にかかるコストが減少するということにはなりません。
また、海上運賃が米ドル建てではなく円建てで設定されている場合は、円安の場合は船社にとっては為替差損が発生しますのでCAFの引き上げにつながります。したがって、自社の海上運賃に適用される通貨を確認することが重要です。
戦争リスクの顕在化=WRSの導入
2026年3月上旬時点で、保険会社は中東地域において船舶に対する戦争保険料を上乗せすることを検討しています。船社はこのような追加コストを補うためにWRS(War Risk Surcharge)を導入する可能性があります。また、軍事的緊張の高まりは安全な運航体制の阻害要因となっており、WRSの適用を検討する船社も出ています。実際、ある欧州系船社では、2026年3月以降、ペルシャ湾地域を発着する貨物に対するWRSの導入を発表しています。
運航オペレーションの混乱=PCSの適用
イランの周辺地域への戦火の拡大に伴い、船社はペルシャ湾や紅海などを通過する運航ルートの変更を余儀なくされました。これにより近隣のハブ港への貨物の一時的な集中が発生する場合は、港湾の混雑を回避するためにPCS(Port Congestion Surcharge)が適用される場合があります。また、このような混乱に関連して、これまでに説明したサーチャージとは別に、中東地域を対象に緊急事態サーチャージ=ECS(Emergency Conflict Surcharge)を新たに付加することを決定した船社もあります。
なお、サーチャージとは別の扱いになりますが、ホルムズ海峡の事実上の閉鎖に伴う船舶の滞留や迂回ルートの選択による運航コストの増加は、基本運賃の高騰にも帰結します。併せて、港湾の混雑に伴うコンテナの動きの停滞も運賃への影響が懸念されます。
このように、今回の中東情勢の緊迫化は、サーチャージの増加につながることが予想されます。基本運賃の高騰とも相まって、遠くない時期に海上運賃が高騰することが懸念されます。
まとめ
サーチャージの位置づけや種類、サーチャージが影響を受ける要因、そして今回のイラン攻撃における影響の見通しについて解説しました。基本運賃と比較して柔軟で機動的な変更が可能なサーチャージには、目的に応じてさまざまな種類のものが存在しています。
そのサーチャージは燃料価格(原油価格)や為替の変動、地政学リスクなどの影響を受けます。今回のイラン攻撃はこれらの要素を大きく変化させる事態であるため、今後のサーチャージの動向には大きな影響が出ることが予想されます。
この記事を通じてサーチャージに関する理解を深め、中東有事のような場合にどのようなプロセスで影響が及ぶか、具体的にイメージできるようになっていただければ幸いです。
当社鴻池運輸には、1980年代からの海外展開で蓄積された豊富なノウハウと世界に広がるグローバルネットワークがあり、お客様の国際物流を支えることができます。北中米、中国、アセアン、インドを中心にフォワーディングをはじめ、ロジスティクス、コントラクト、エンジニアリング、パッケージング、トレーディングなど様々な事業を展開。
国際貿易業務に限らず、海外展開でのお困りごとがあれば、お気軽に当社までお問い合わせください。詳しくは、こちらの「国際物流」のページをご参照ください。
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