【2026】インコタームズとは?11種類の規則・意味をわかりやすく解説
国際物流
国際貿易では、輸出入者(売主と買主)の間で、国境を越えてモノの移動が行われます。通常、両者は言語や商慣習などが異なり、契約条件に対する理解が曖昧だとトラブルに発展する可能性が高まります。その際に、国際的に共通の貿易条件を利用することができればトラブルを回避しやすくなります。
そのような貿易条件は「インコタームズ(Incoterms)」と呼ばれ、今日の貿易を行う上では欠かせないものです。このインコタームズは国際物流のプロセスにも登場するものであり、関係者には正確な理解が求められます。今回は、インコタームズの概要と11種類の規則、そしてインコタームズを利用する上での注意点などについて解説します。
1920年代を通じて各国で使用される貿易条件を調査してその不一致に気づいたICCは売主と買主の間のリスク移転やコスト負担について取り決めたものを定型的な貿易条件として整理し、1936年に「インコタームズ」としてまとめました。
なお、このインコタームズは「国際(”In”ternational)」「商業(”Co”mmercial)」「条件(”terms”)」のそれぞれの頭文字を採ってIncotermsと称されたことに由来しており、国際的な貿易条件の標準化を意図したものであるといわれています。
その後、第二次世界大戦を経て複数回の改訂が行われ、2020年に発効したインコタームズ2020が最新版となっています。以下の章では、インコタームズ2020の内容を前提にしています。
インコタームズでは、売主と買主の間のリスク移転やコスト負担などについてまとめられており、11の規則の中で細かい条件の違いが明示されています。リスクとは荷役中の事故や盗難・火災などを指し、コストは運賃や保険料、通関費用や荷役費用などが対象です。
このリスク移転やコスト負担のそれぞれについて、どのタイミングで売主と買主が自分の責任とするかを明確に決めることにより、貿易を行う上でのトラブルを抑制できます。
なお、貨物の「所有権」に関しては定められていません。また、インコタームズの適用は強制ルールではなく、あくまでも売主と買主の交渉の中で採用するかどうかを決めるものという位置づけです。
最初に解説するのは、Eグループです。Eグループは売主にとって最もリスクとコストの負担が小さい条件であり、買主がほとんどのリスクとコストを負担することを特徴としています。
買主は、貨物の引き渡し以降のリスクとコストを負担し、輸出国内での輸送から先のプロセスについてすべて手配する必要があります。
買主は、売主の指定引き渡し場所以降のプロセスの手配を行う必要があります。
Fグループの中では、海上コンテナ輸送を行う場合に多用されています。
買主は、船への積み込みから先のプロセスの手配を行い、以降のリスクとコストを負担します。
木材などのバラ積みを行う貨物を取り扱う際に利用される条件です。
こちらも他のFグループの条件と同様に、売主は輸出通関を手配する必要があります。FASとの違いは、本船への積み込みまでが売主の責任とされていることです。
買主は、貨物が船に積み込まれた後のリスクとコストを負担します。
なお、このFOBは海上コンテナ輸送が普及するまでは、Fグループの条件として主に利用されていました。現在でも輸出申告を行う際、申告書に記載する価格にFOB価格が利用されるところに名残があります。
Cグループは、リスクとコストの負担が切り替わるタイミングにズレがあることが特徴です。Fグループと比較しながら内容を見ていくと理解しやすいといえます。
買主は、輸入国における輸入通関以降のプロセスの手配を行い、必要なコストを負担します。ただし、国際輸送のリスクは買主負担となっているため、航海中の事故などは買主の責任範囲の下で対応します。
このCPTは、Cグループの中では海上コンテナ輸送を行う場合に多用される条件です。
買主は、CPTと同様に輸入通関以降のプロセスの手配を行い、必要なコストを負担します。
なお、売主負担の保険について、インコタームズ2010以前は最小限度の負担(ICC(C)、貨物の価額の100%以上の保証)で良いとされていましたが、インコタームズ2020では、CIPはICC(A)(オールリスク)レベルで、貨物価格の110%カバーが必要とされています。
CIPは、CPTと同様に海上コンテナ輸送を行う際に利用されます。
買主は、輸入国における輸入通関以降のプロセスの手配を行い、必要なコストを負担します。なお、CFRは「C&F」と表現されることもありますが、単なる略称の違いであり、内容は同じです。
CFRと同様、買主は輸入通関以降のプロセスの手配を行い、必要なコストを負担します。
なお、このCIFは海上コンテナ輸送が普及するまではCグループの条件の主流でした。貿易関係者の中ではなじみ深いインコタームズであり、慣習的に「シフ」と呼ばれます。日本にモノを輸入する場合の関税はCIF価格に基づいて計算されます。
買主は、輸入国における輸入通関及び荷卸しを行う必要があります。
買主は、輸入国における輸入通関のみを担当します。
買主の負担が最も少ないものであり、国際宅配便を使った越境ECなどで利用されます。海外通販にて関税込み金額で購入した物品を一般消費者が受け取る場合などをイメージするとわかりやすいといえます。
そのような貿易条件は「インコタームズ(Incoterms)」と呼ばれ、今日の貿易を行う上では欠かせないものです。このインコタームズは国際物流のプロセスにも登場するものであり、関係者には正確な理解が求められます。今回は、インコタームズの概要と11種類の規則、そしてインコタームズを利用する上での注意点などについて解説します。
インコタームズとは?
円滑な国際貿易を行う上では、インコタームズの理解は避けて通ることはできません。ここでは、インコタームズの歴史や特徴といった概要について解説します。インコタームズの歴史
インコタームズの歴史は1930年代まで遡ります。第一次世界大戦の終結を契機に設立された国際商業会議所(International Chamber of Commerce:ICC)は国際貿易の推進を掲げていました。1920年代を通じて各国で使用される貿易条件を調査してその不一致に気づいたICCは売主と買主の間のリスク移転やコスト負担について取り決めたものを定型的な貿易条件として整理し、1936年に「インコタームズ」としてまとめました。
なお、このインコタームズは「国際(”In”ternational)」「商業(”Co”mmercial)」「条件(”terms”)」のそれぞれの頭文字を採ってIncotermsと称されたことに由来しており、国際的な貿易条件の標準化を意図したものであるといわれています。
その後、第二次世界大戦を経て複数回の改訂が行われ、2020年に発効したインコタームズ2020が最新版となっています。以下の章では、インコタームズ2020の内容を前提にしています。
インコタームズの特徴
インコタームズの規則はアルファベット三文字で表記します。最初の頭文字(E/F/C/D)で4つのグループが構成され、さらにそのグループの中で細分化する形で合計で11の規則が定められています。インコタームズでは、売主と買主の間のリスク移転やコスト負担などについてまとめられており、11の規則の中で細かい条件の違いが明示されています。リスクとは荷役中の事故や盗難・火災などを指し、コストは運賃や保険料、通関費用や荷役費用などが対象です。
このリスク移転やコスト負担のそれぞれについて、どのタイミングで売主と買主が自分の責任とするかを明確に決めることにより、貿易を行う上でのトラブルを抑制できます。
なお、貨物の「所有権」に関しては定められていません。また、インコタームズの適用は強制ルールではなく、あくまでも売主と買主の交渉の中で採用するかどうかを決めるものという位置づけです。
インコタームズの種類
先述のように、インコタームズは最終的に11の規則に分かれます。ここでは、最初の頭文字ごとに構成されるグループごとにインコタームズを解説します。なお、11種類の規則を表でまとめると、下のようになります。| グループ | 規則の内容 | 負担範囲の詳細 | 輸出通関手配 | 輸入通関手配 | 国際輸送費用負担 | 保険費用負担 | ||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 規則 | 貿易条件 | 売主 | 買主 | |||||
| E | EXW | EX Works:工場渡し | 自社工場等の引き渡し場所を決め、実際に買主に引き渡すことのみを担当する | 貨物の引き渡し以降のリスクとコストを負担し、輸出国内での輸送から先のプロセスについてすべて手配する | 買主 | 買主 | 買主 | ー |
| F | FCA | Free Carrier:運送人渡し | 輸出国における指定引き渡し場所までのリスクとコストを負担する | 売主の指定引き渡し場所以降のプロセスの手配を行う | 売主 | 買主 | 買主 | ー |
| FAS | Free Alongside Ship:船側渡し | 貨物が指定の船積港の船側に置かれるまでのリスクとコストを負担する | 船への積み込みから先のプロセスの手配を行い、以降のリスクとコストを負担する | 売主 | 買主 | 買主 | ー | |
| FOB | Free On Board:本船渡し | 貨物が指定の船に積み込まれるまでのリスクとコストを負担する | 貨物が船に積み込まれた後のリスクとコストを負担 | 売主 | 買主 | 買主 | ー | |
| C | CPT | Carriage Paid To=輸送費込み | 輸出国における指定引き渡し場所までのリスクと国際輸送の分も含むコストを負担する | 輸入国における輸入通関以降のプロセスの手配を行い、必要なコストを負担する | 売主 | 買主 | 売主 | ー |
| CIP | Carriage and Insurance Paid to=輸送費保険料込み | 輸出国における指定引き渡し場所までのリスクと国際輸送及び保険の分も含むコストを負担する | 輸入国における輸入通関以降のプロセスの手配を行い、必要なコストを負担する | 売主 | 買主 | 売主 | 売主 | |
| CFR | Cost and FReight=運賃込み | 貨物が指定の船に積み込まれるまでのリスクと国際輸送の分も含むコストを負担する | 輸入国における輸入通関以降のプロセスの手配を行い、必要なコストを負担する | 売主 | 買主 | 売主 | ー | |
| CIF | Cost Insurance and Freight=運賃保険料込み | 貨物が指定の船に積み込まれるまでのリスクと国際輸送及び保険の分も含むコストを負担する | 輸入国における輸入通関以降のプロセスの手配を行い、必要なコストを負担する | 売主 | 買主 | 売主 | 売主 | |
| D | DAP | Delivered At Place=仕向地持込渡し | 輸入国における指定引き渡し場所までのリスクとコストを負担する | 輸入国における輸入通関及び荷卸しを行う | 売主 | 売主 | 売主 | ー |
| DPU | Delivered at Place Unloaded=荷卸込持込渡し | 輸入国における指定引き渡し場所までのリスクとコストを負担する | 輸入国における輸入通関のみを担当する | 売主 | 売主 | 売主 | ー | |
| DDP | Delivered Duty Paid=関税込持込渡し | 輸入国における指定引き渡し場所までのリスクとコストを負担する | 指定引き渡し場所における荷卸しを行う | 売主 | 売主 | 売主 | ー | |
Eグループ
最初に解説するのは、Eグループです。Eグループは売主にとって最もリスクとコストの負担が小さい条件であり、買主がほとんどのリスクとコストを負担することを特徴としています。
EXW(EX Works=工場渡し)
売主は、自社工場等の引き渡し場所を決め、実際に買主に引き渡すことのみを担当します。買主は、貨物の引き渡し以降のリスクとコストを負担し、輸出国内での輸送から先のプロセスについてすべて手配する必要があります。
Fグループ
次に解説するのは、Fグループです。Fグループでは、売主が輸出国における売主指定引き渡し場所もしくは本船までのリスクとコストを負担します。FCA(Free CArrier=運送人渡し)
売主は、輸出国における指定引き渡し場所までのリスクとコストを負担します。その際、売主の敷地(自社工場等)が引き渡し場所として指定されることがあり、その場合はEXWと近しい条件になりますが、FCAであれば売主は輸出通関を手配する必要がある点が異なります。買主は、売主の指定引き渡し場所以降のプロセスの手配を行う必要があります。
Fグループの中では、海上コンテナ輸送を行う場合に多用されています。
FAS(Free Alongside Ship=船側渡し)
売主は、貨物が指定の船積港の船側に置かれるまでのリスクとコストを負担します。FCA同様、売主は輸出通関を手配する必要があります。買主は、船への積み込みから先のプロセスの手配を行い、以降のリスクとコストを負担します。
木材などのバラ積みを行う貨物を取り扱う際に利用される条件です。
FOB(Free On Board=本船渡し)
売主は、貨物が指定の船に積み込まれるまでのリスクとコストを負担します。以前は船の”欄干を越えるまで”とされていましたが、最新のインコタームズ2020で表現が変更されました。こちらも他のFグループの条件と同様に、売主は輸出通関を手配する必要があります。FASとの違いは、本船への積み込みまでが売主の責任とされていることです。
買主は、貨物が船に積み込まれた後のリスクとコストを負担します。
なお、このFOBは海上コンテナ輸送が普及するまでは、Fグループの条件として主に利用されていました。現在でも輸出申告を行う際、申告書に記載する価格にFOB価格が利用されるところに名残があります。
Cグループ
次に解説するのは、Cグループです。Cグループでは、リスクに関する条件がFグループと同様である一方、コストは輸出国のプロセスにかかるものに加えて輸入国までの国際輸送や保険の分も売主が負担します。Cグループは、リスクとコストの負担が切り替わるタイミングにズレがあることが特徴です。Fグループと比較しながら内容を見ていくと理解しやすいといえます。
CPT(Carriage Paid To=輸送費込み)
売主は、リスクについてはFCAと同様である一方、コストはFCAの条件に加えて国際輸送にかかる分も負担します。すなわち、国際輸送の部分だけリスク負担者(買主)とコスト負担者(売主)が異なります。買主は、輸入国における輸入通関以降のプロセスの手配を行い、必要なコストを負担します。ただし、国際輸送のリスクは買主負担となっているため、航海中の事故などは買主の責任範囲の下で対応します。
このCPTは、Cグループの中では海上コンテナ輸送を行う場合に多用される条件です。
CIP(Carriage and Insurance Paid to=輸送費保険料込み)
売主は、リスクについてはFCAと同様である一方、コストはFCAの条件に加えて国際輸送と保険にかかる分も負担します。すなわち、国際輸送と保険はリスク負担者(買主)とコスト負担者(売主)が異なります。買主は、CPTと同様に輸入通関以降のプロセスの手配を行い、必要なコストを負担します。
なお、売主負担の保険について、インコタームズ2010以前は最小限度の負担(ICC(C)、貨物の価額の100%以上の保証)で良いとされていましたが、インコタームズ2020では、CIPはICC(A)(オールリスク)レベルで、貨物価格の110%カバーが必要とされています。
CIPは、CPTと同様に海上コンテナ輸送を行う際に利用されます。
CFR(Cost and FReight=運賃込み)
売主は、リスクについてはFOBと同様である一方、コストはFOBの条件に加えて国際輸送にかかる分も負担します。すなわち、国際輸送の部分だけリスク負担者(買主)とコスト負担者(売主)が異なります。買主は、輸入国における輸入通関以降のプロセスの手配を行い、必要なコストを負担します。なお、CFRは「C&F」と表現されることもありますが、単なる略称の違いであり、内容は同じです。
CIF(Cost Insurance and Freight=運賃保険料込み)
売主は、リスクについてはFOBと同様である一方、コストはFOBの条件に加えて国際輸送と保険にかかる分も負担します。すなわち、国際輸送と保険のリスク負担者(買主)とコスト負担者(売主)が異なります。CFRと同様、買主は輸入通関以降のプロセスの手配を行い、必要なコストを負担します。
なお、このCIFは海上コンテナ輸送が普及するまではCグループの条件の主流でした。貿易関係者の中ではなじみ深いインコタームズであり、慣習的に「シフ」と呼ばれます。日本にモノを輸入する場合の関税はCIF価格に基づいて計算されます。
Dグループ
最後に解説するのは、Dグループです。Dグループでは、売主が輸入国の指定場所までのリスクとコストを負担します。したがって、売主にとって最もリスクとコストの負担が大きい条件であるといえます。DAP(Delivered At Place=仕向地持込渡し)
売主は、輸入国における指定引き渡し場所までのリスクとコストを負担します。CPTやCIPと類似した条件ですが、輸入国内における輸送も売主の負担となります。買主は、輸入国における輸入通関及び荷卸しを行う必要があります。
DPU(Delivered at Place Unloaded=荷卸込持込渡し)
売主は、輸入国における指定引き渡し場所までのリスクとコストを負担します。DAPと類似した条件ですが、指定引き渡し場所における荷卸しが売主負担である点が異なります。買主は、輸入国における輸入通関のみを担当します。
DDP(Delivered Duty Paid=関税込持込渡し)
売主は、輸入国における指定引き渡し場所までのリスクとコストを負担します。売主は、DAPの条件に加えて、輸入通関及び関税の支払いも行う必要があります。ただし、指定引き渡し場所における荷卸しは買主の負担で行います。買主の負担が最も少ないものであり、国際宅配便を使った越境ECなどで利用されます。海外通販にて関税込み金額で購入した物品を一般消費者が受け取る場合などをイメージするとわかりやすいといえます。
インコタームズを利用する上での注意点
インコタームズの基本ルールについて説明しましたが、インコタームズを利用する上では注意すべき点があります。最後に、そのポイントについて解説します。
その理由としては、いずれもリスクの移転のタイミングが在来船への積み込み作業を基準としており、他の輸送手段のことを想定していないという点が挙げられます。
上記の4つ以外のインコタームズについてはいかなる輸送手段にも適しているとみなされており、コンテナを利用した国際輸送が主流となった昨今では、実態に合わせるならば、上記4つ以外のインコタームズを利用するのが望ましいといえます。
したがって、所有権の移転の時期については売買契約に基づいて売主と買主が合意する必要があります。実務上は貨物の所有権を証明するものとしてB/Lが用いられ、B/Lに裏書き(署名)することで所有権が移転すると扱われます。
この点は誤解されやすい部分であり、リスクやコストの分担と所有権の移転は別問題であることに注意が必要です。
関係者はインコタームズをしっかり理解することで国際貿易や国際物流をスムーズに進めることができるため、ぜひこの機会に理解を深めてみてはいかがでしょうか。
当社鴻池運輸には、1980年代からの海外展開で蓄積された豊富なノウハウと世界に広がるグローバルネットワークがあり、お客様の国際物流を支えることができます。北中米、中国、アセアン、インドを中心にフォワーディングをはじめ、ロジスティクス、コントラクト、エンジニアリング、パッケージング、トレーディングなど様々な事業を展開。
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輸送手段に応じたインコタームズの利用
インコタームズは国際貿易の条件として活用されるものですが、在来船による輸送以外には適していないとみなされているインコタームズもあります。該当するのはFグループの2つ(FAS/FOB)とCグループの2つ(CFR/CIF)です。その理由としては、いずれもリスクの移転のタイミングが在来船への積み込み作業を基準としており、他の輸送手段のことを想定していないという点が挙げられます。
上記の4つ以外のインコタームズについてはいかなる輸送手段にも適しているとみなされており、コンテナを利用した国際輸送が主流となった昨今では、実態に合わせるならば、上記4つ以外のインコタームズを利用するのが望ましいといえます。
所有権の移転の時期
先述したように、インコタームズでは所有権について明記されていません。そのため、インコタームズに記載されているリスクとコストの負担が切り替わるタイミングにおいても所有権が切り替わるとは限りません。したがって、所有権の移転の時期については売買契約に基づいて売主と買主が合意する必要があります。実務上は貨物の所有権を証明するものとしてB/Lが用いられ、B/Lに裏書き(署名)することで所有権が移転すると扱われます。
この点は誤解されやすい部分であり、リスクやコストの分担と所有権の移転は別問題であることに注意が必要です。
まとめ
インコタームズの概要と各規則の詳細、インコタームズを利用する際の注意点について解説しました。インコタームズは言語や商慣習の異なる売主と買主を結ぶ取り決めであり、この標準化されたルールを使うことによる円滑なコミュニケーションの実現の恩恵は計り知れません。関係者はインコタームズをしっかり理解することで国際貿易や国際物流をスムーズに進めることができるため、ぜひこの機会に理解を深めてみてはいかがでしょうか。
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