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「物流の枠を越えた挑戦」持続的な成長に向けKONOIKEグループ一丸となって、経営基盤の再構築を推進します 代表取締役社長 鴻池 忠彦

Q2017年3月期の事業環境と決算概要について

A当期の日本経済は、個人消費の停滞長期化による内需の低迷に加え、新興国経済の成長鈍化や欧州の情勢不安による外需の伸び悩みを受け、長く足踏みの状況となりました。期間末頃からは、米国や中国を中心とした海外経済の持ち直しを背景に輸出が増加に転じるなど、一部回復の兆しも表れ始めましたが、英国のEU離脱交渉の本格化や、米国新政権の政策不透明感に伴う不確実性の高まりが下押し圧力となり、景気回復に向けた動きは、当面は緩慢なものにとどまると見込んでおります。
物流業界におきましても、深刻な人手不足の影響により、輸送や荷役に係る人件費が増大していることなど、コストの上昇傾向が続いており、依然として厳しい環境となりました。

このような経営環境のもと、KONOIKEグループは、主に食品を取り扱う北関東流通センターを増築した他、生活関連用品を取り扱う西大阪流通センターを移転増築するなど、国内営業拠点の拡充に注力しました。また、海外においては、拡大するインドの鉄道コンテナ輸送市場への新規参入を目的として、JOSHI KONOIKE TRANSPORT & INFRASTRUCTURE PVT.LTD.を設立した他、タイにおいては、国内鉄鋼事業で培ってきた鋼材等重量物輸送業務を展開すべく、KONOIKE J.TRANSPORT (THAILAND)CO.,LTD.を設立しました。
当期の業績は、鉄鋼関連が健闘したことに加え、食品関連の好調維持、インバウンド増加による空港関連の続伸により、売上高は前期比2.3%増の2,583億32百万円となりました。利益面につきましては、海外市場における調査費用の発生などにより、営業利益は同0.3%減の102億32百万円、経常利益は同0.1%増の107億21百万円となりましたが、親会社株主に帰属する当期純利益は同14.0%増の73億10百万円となりました。

Q中期経営計画の進捗と今後の課題

A16年3月期から18年3月期までを対象に中期経営計画を策定し、(1)持続的成長に向けた「稼ぐ力」の確立、(2)ガバナンスの強化、(3)「社会的責任」への取り組み、という3つを重点目標として掲げ、18年3月期の経営数値目標「売上高3,000億円、営業利益150億円、ROE8.7%」の達成を目指して取り組みを重ねてまいりました。
この2年間を振り返りますと、食品関連、空港関連などが伸長したものの17年3月期は売上高・営業利益ともに当初計画に対しては目標未達となり、18年3月期を最終年度とした中期経営計画の数値目標達成も厳しい状況となっています。このような状況を踏まえ、取り組むべき課題に真摯に向き合い、将来に向けて、ますます邁進していかねばならないと自戒し決意を新たにしております。

KONOIKEグループを取り巻く環境変化としては、人手不足の深刻化、働き方改革の進展、自動運転技術やロボットと通信技術の融合による物流・製造の技術革新、お客さまの業界と物流業界に共通した業界再編とグローバル化などがあげられます。従来通りのビジネスに留まっている限り、これらの変化はKONOIKEグループにとって向かい風となり得るものです。しかし、お客さまの業務プロセス全体に関わるという観点でみれば、人手不足に伴う人材供給ニーズ、製造請負のニーズに合った時代変化の中に数多くの事業機会が生まれてくる絶好のチャンスとも言えます。変化の芽、チャンスの芽をいち早く捉えてつかみ取る意識と感覚をグループ全体で磨いてまいります。

Q成長にむけた戦略の実現と組織体制の見直し

A持続的な成長に向けて、従来のコア事業である「製造業における請負業務の拡大」に加え、今後ますます「サービス業における請負業務の獲得」と「海外拠点における国内成功事例の展開と⾼収益化」を推進していく必要があります。
日本の産業構造を見渡すと、製造業からサービス業への重心シフトが続く中、その生産性にはまだまだ多くの改善余地が見受けられます。KONOIKEグループには、製造業のお客さまの業務プロセスに深く携わる中で培ってきたノウハウと経験があります。これを基礎にサービス業務への取り組みを加速することによって、社会全体の生産性の向上に貢献できると考えております。

KONOIKEグループは、厳しい市場環境を乗り越えて持続的な企業価値向上にコミットする経営陣の姿勢を明確に示すべく、このたび買収防衛策を廃止しました。今後は、企業価値の向上のため「成長戦略の明示とその実現」、「資本の効率化」、そして「ガバナンスの強化」の3つの施策に取り組んでまいります。
これらの取り組みの効果を高めるべく17年4月より、組織体制も変更しました。経営監督と業務執行の分離を進めております。取締役会は「経営ビジョン・戦略といったグループ全体の方向性の決定と経営監督」に専念し、大きな環境変化を意識したグループ全体のリード役を果たすこととします。一方で、具体的な戦略遂行や業務管理については、事業本部長を担う執行役員に大幅な権限移譲を推し進めることにより、お客さまのニーズや事業環境の変化に即応してまいります。

Qステークホルダー・株主・投資家の皆さまへ

Aわれわれを取り巻く環境は、歴史的な転換点を迎えています。KONOIKEグループは、これまでの価値観や常識にしがみつくのではなく、変化の先を見据えた大胆なビジョンを描き、実行してまいります。一方で、変革の中にあっても決して変えてはならないKONOIKEのDNAが存在することも肝に銘じています。KONOIKEグループは、お客さまの生産プロセスに関与し精通する中で革新を起こし、お客さまのバリューチェーン最適化に貢献してきた知見と経験をベースに、安全・高品質・生産性の向上を広く国内外のお客さまにご提供することで成長してまいりました。この方向性は、今後進める経営改革においても変わりません。
お客さまからは信頼できるパートナーとして、協力会社の皆さまや従業員にとっては共に仕事をしたいと思う魅力ある存在として、地域社会の皆さまからは安心できるお仲間として頼りにしていただく存在であり続けます。そして、株主・投資家の皆さまのご期待に応えながら企業価値を向上させてまいりたいと決意しております。

引き続き、KONOIKEグループへのご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。